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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.14 似た者親子

 店から出た沙紀さんは、何かを考えているようで無言で車に乗り込む。おそらく、左京から買った情報と今までの捜査で分かったことを照らし合わせているのだろう。大祐も自分なりに照らし合わせてみるが現状捜査に役立つものではなかったように思う。


 (薬物捜査は、自分達の捜査範囲外だしな)


 「何か気になることでもあるんですか?」


 「薬っていうのが気になって。何かひっかかるんだけど、それが何かがはっきりしないの」


 「以前薬がらみの事件でもあったとか」


 「薬がらみならうちに捜査の命令はこないわよ。多分、特異課がらみじゃない」


 特異課がらみではないとすると考えられるのは、沙紀の記憶がなくなる以前の事。でも当時、沙紀さんは8歳くらいなわけでそんな小さい頃にこんな話は出てこないはず。


 「分らない。とりあえず、この件は保留。その組織について何か捜査がされているかどうか調べましょう」


 「はい」


 「じゃあ、特異研に行くわよ。あそこのライブラリーが一番だから」


 「…………いいんですか?」


 「何が?」


 歯切れの悪い大祐に沙紀は首をかしげる。


 「その格好のままでいいんですか?」


 大祐のその言葉にはっとした沙紀は、顔を赤らめる。


 「………………一度、本部に戻って」


 「了解です」


 本部ビルに着くなり、沙紀はダッシュでロッカールームへと消えて行った。その姿を見送ってから大祐は、報告をする為に先に本部へと向かう。


 「戻りましたー」


 「おや、お帰り」


 その声に奥に視線を向けるとそこには出張で留守にしていた課長がいた。


 「課長! いつ戻られたんですか?」


 「ん? さっきだよ。本当はもっと早く帰る予定だったんだけど、色々とうるさい人に捕まってしまってね。やっと、解放されたよ」


 「はははっ。大変でしたね、お疲れ様です」


 「ありがとう、沙紀君は?」


 「今、ロッカールームに」


 「そっか。で、捜査は進んでいるかい?」


 大祐は、左京から仕入れた情報などを説明する。その内容に課長は、腕を組み言った。


 「新種の薬物ねぇ…………。確かにありそうな話ではある。でも、既に噂になっているくらいならうちに捜査命令を出す必要なんてないだろうに」


 課長の言葉に確かにそうだなと大祐は思う。


 「お待たせ! タロ! …………って課長?」


 「やぁ、沙紀君。お帰り」


 「ただいま戻りました。課長もおかえりなさい」


 「うん。ただいま。悪いね、急な事件をおしつけてしまって」


 「いえ。でも、せっかくのチャンスですし」


 「「チャンス?」」


 沙紀から出た意外な言葉に課長と大祐は、思わず聞き返す。


 「ここで私達が事件を解決して彼等を眠りから目覚めさせることが出来れば、上に恩が売れますよね。そしたら、苦情や嫌味が言いたいほうだいかなーって」


 さらりと無邪気に腹黒発言をする沙紀に、一瞬言葉を失うがすぐに同じように腹黒い笑みを浮かべる課長だった。


 「ナイスアイディアだよ、沙紀君。そうだよね、事件を解決したらそれくらい聞いてもらわないとね」


 フフフフと笑いあう二人を見て大祐は思う。


 (うわー、似たもの親子だな)



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