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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.13 噂

 「で、本題なんだけど」


 沙紀はプリンを食べ終えると早速本題である仕事話を再開する。すると、左京は沙紀から詳細を聞く前に口を開く。


 「官僚や警察幹部、国内企業の中枢で働く人間の間で流行っている眠り病ですか? 本人達の体調不良とされて事件化はされていないようですが」


 「そう。薬物反応も病気の疑いもない。皆、原因が分らない」


 「普通なら新種の睡眠障害で片付けられますね」


 「でも、原因はあるはず」


 「残念ながら私にも現段階では何が原因かは特定出来ておりません。しかし、噂を掴みました」


 「噂ですか?」


 左京の言葉に大祐は反応する。警察の捜査網でもまだ何も引っかからない状況で、噂とは言え情報をつかむとは本当に凄腕の情報屋なのだと思った。


 「何やら新種の薬が闇で売買されているらしいです」


 「麻薬か何かですか?」


 新種の麻薬ならば既に薬物捜査班の耳にも入っていてもおかしくはない。そう思い捜査が始まってから直ぐに彼等にも情報を照会しているが現段階ではまだ彼等からの返答はなかった。


 「いえ、麻薬というよりは新種の睡眠薬のようなものかと。ただ、それは無味無臭でそれを飲ませれば誰でも簡単に眠らせることが出来ると」


 左京の言葉にどこか納得がいかないのか沙紀は首を捻る。闇で売買され始めているならもっと広範囲に出回っていてもおかしくない。


 「だったらもっと患者で溢れてないとおかしい」


 「いえ患者は出ています。しかし、その患者達は大抵二、三日で目を覚ますそうです。今回のように目覚めることがないとう事態には陥っていない」


 左京は珈琲を飲みながら、現状で自分の耳に入っている情報で正確なものだけを沙紀達へと伝えていく。


 「その薬の出所は?」


 「そこまではまだ。ただある組織で作られ組織単位で動いているらしいとは聞きました。その組織は通常の犯罪組織とは違うようで詳細がまだ分かりません」


 「ふーん。犯罪組織とは違うってことは、能力者達の集まりでもないってことか。分かった、また何か情報が出たら教えて。タロ、帰るわよ」


 沙紀は、立ち上がりスタスタと部屋を出て行く。左京はそんな失礼とも取れる沙紀の態度を見ながらニコニコと笑顔を浮かべている。出遅れた大祐は慌てて立ち上がった。


 「さ、沙紀さん! まっ、待ってくださいよ。ご協力ありがとうございました。じゃあ、失礼します」


 大祐は左京へ一礼すると急いで沙紀の後を追って出て行く。


 「またのご来店をお待ちしています」


 そう言って左京は立ち上がり二人を見送る。


 「ふふふ。いいコンビになりそうですね。奴が聞いたら焼もちを焼きそうですけど」


 窓辺に飾られた写真たてを手にとり左京は、呟く。その写真には、沙紀を中心に左京、緋奈、そしてもう一人の人物が仲良く写っていた。


 「彼なら緋奈も安心するでしょう。ちゃんと社会や人間の裏側を知りながらも能力者として濁らずにいる。貴重な存在です。ただ、アイツは面白くないでしょうね、お兄ちゃん役を取られてしまって」


 左京はクスクスと笑うと写真たてを元に戻した。そして次の瞬間には浮かべていた笑みを消し、沙紀から請け負った仕事に本格的にかかる為に仕事部屋へと向かった。



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