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部屋に流れた沈黙を破って、バグは口を開いた。

「なぁ、俺のこと教会裏の人って言ってたよな、なんでだ?」

「お前がパーツを集めてるって言ってたから。 “教会裏”ってマフィアもオーパーツとやらを集めてるもんでてっきりそこの回し者かと思ったんだよ。お前こそなんでそんなもん集めてんだ」

「mur…なんとなく…な」

いぶかしむシェルムの様子に、彼は唯一覚えていた夢を話した。何か大切な部品、知らない男。

「ふぅん、それで。手掛かりになるかもと」

今は記憶を無くしているとしても、“教会裏”と関わりが無いとは言い切れない。判断するにはまだ情報が足りない。

「いや、もっとこう…集めたいから集めてると言うか、パーツが有るとなんとなくわかるから」

パーツが稼働しているとそれを感じ取ることが出来るのだと言う。バグは上手く説明出来ない感覚にもやもやしているようだった。

そんな超能力のような話、信じられるか。…もしその能力が本当なら“教会裏”に追われるのは必須だろう。

又は記憶を無くす前もその能力についてすったもんだあったのかもしれない。そして記憶を無くした後の彼が“教会裏”に協力するつもりが無いのなら、これからは、いやこれからも、追われることになる。

同じ追われる立場。少しだけシンパシー。

「まぁ、いいけどさ」

シェルムは話題を打ち切って、さっきから気になっていたことを聞く。

「相棒は過去のお前についてなんか言ってなかったのか?まず相棒に調べてもらうべきだろ」

バグは目を丸くしてそのうち大声で笑い始めた。なんか変なこと言ったか?俺。

「そういやまだ相棒を紹介してなかったな。ガレージにいるんだ、ついてこいよ」

気を悪くした彼はバグに冷たい表情をした。さっきの同情はそれだけで消えかけたが、完全に消えるには至らなかった。

含み笑いのままのバグについていくと、ガレージには一台のバイクが留めてあった。

小さいくせにレーシングバイクの様な洒落たデザイン。メタリックブルーがかっこいい。

バグはそのバイクを示した。

「こいつが俺の相棒、イピオスだ」

バイクは勝手にライトを点滅させて見せた。

こいつは…あのとき、海に落としたバイクじゃないか!相棒とは、バイクのことだったのだ。

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