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毒華蝶  作者:
9/10

紫陽花の香[6]



「あやつらのペットに手を出すのなら、あやつらの眷属になるしかないのう。」


「どんなのでもいいわ!

はやくなんとかして!

私がこれ以上、何も苦しまない世界を、早くかえしなさい!」


「…もうよい。

貴様の願い、叶えようぞ。

童についてくるのじゃ。」



マリーについてパステルカラーの部屋を出ると、そこは歩いてきた廊下ではなく、禍々しい空気をかもし出した部屋についた。


部屋にはたくさんの蝋燭、なにかの魔方陣のような床の上には、黒くずっしりとしたテーブル。

マリーはそのままテーブルに近づくと大きな壺を持ち、壁においてある瓶詰めの液体を大量に注ぎ始めた。


「…なに、やんてんの…?」


「なにって、貴様の主との通信じゃ。

主には、何も話さなくてもようぞ。」


話しているうちに、壺から液体が浮き上がり、それは満月のようになり、ノイズを発している。



「貴様、何の真似だ?」


《怒るでないよ、マリー?》


「貴様のペットがうるさいのでな。

…どうせ、みていたんだろう?」


《まあ、ね。

…さて、撫子。君は本当にその願いでいいのかい?》


「あ、当たり前よ!

あんたが私の願いをかなえてくれるの?」


《ニンゲンは本当に面白いね。

いつの時代も同じことの繰り返しだ。

撫子、君の前世も同じことを繰り返したよ》


ソレはクスクスと笑いながら、穏やかに言う。

光は撫子を優しく包み込むように輝き、地下のような薄暗い部屋を、暖かくしてくれた。


《どうやら、君には反省する気はないようだね。

8000年かけてやっと転生できても、同じことを繰り替えすなんて。

君みたいなオモチャは、もういらないよ。

マリー、君の好きなようにしてくれ。》


「ほう。

あの女も消していい、というわけじゃな?」


《何言ってるの?

アレは君のじゃないか》


ケラケラと無邪気に笑うソレはふわりとマリーの周りを飛ぶ


《君はとことん残酷になっていくね。

…そんなにはやくこっちにきたいかい?》


「…貴様に言われたら終いだな。

どの口が行っておる。」


《相変わらず、だね》


「はやく帰れ。

貴様への用件はとっくに終わっておる。

できれば二度とかかわりたくないわ。」


マリーの言葉を聴いていたのか、いないのか既に知る方法はないが、ソレは勢いよく魔方陣の中へと溶け込むように消えていった


「…なん、だったの、あれ…」


「貴様らでいう、神じゃ。

悪魔、仏、などともいうのう。」


「なんか想像とだいぶ違ったわ



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