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新釈古事記伝  作者: りんたろう


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34.天津神の降臨〜ニニギ その8〜

ひとつ前のお話で、ニギハヤヒとスサノオたちの関係を書き加えました。

読まなくても大丈夫ですが、よろしければ・・・。

 朝食後、スサノオの号令で昨日と同じメンバーが因幡の部屋に集められた。

「打ち合わせの結果の報告と今後の具体的な計画を相談したいのだが⋯ニニギが遅いな。」

 張り切って1番に来てそうなのにとスサノオが独り言ちたその時、小さなノックと共に、ニニギが扉から滑り込んできた。素早く扉を閉めホッと胸をなでおろしたニニギは、皆を見渡し遅くなって申し訳ありませんと頭を下げた。

「実は、部屋に戻ったらすごいことが起きていて・・・。驚かないでくださいよ?」

 そう言うと、懐から手のひらサイズの人形のようなものを取り出した。人の形をした胴体に白と黒で彩られた鳥の頭が付いており、背中には折りたたまれた羽があった。体には細い布がぐるぐる巻きにされていた。

「いや、素っ裸もどうかと思ったんですが、僕には裁縫の才能がなかったらしくて。」照れるニニギに皆、ポカンとした顔をした。

「えーっと、人形作ってたのか?服はともかくとして上手いぞ。」

「え?いや、違いますよ、これ生きてます!ゴーマ、皆さまをからかうなよ。」

 生きてるのか?と皆が鳥頭の人形に詰め寄った。

「すみません!ちょっと面白くって。

 初めまして、僕はニニギ様のゴーマです!」

「しゃべった!」

「動いた!」

「飛んでる!!」

 皆大騒ぎであった。


 ゴーマに色々と質問をして分かったのは、卵たちが孵化しないのは、名前がないためとのことだった。ただそれも名付ければいいわけでなく、その卵と相性の良い者が名前を考え、その名前を卵が気に入れば、縁がむすばれ孵化できるとのことだった。相性の良さは、近づくと卵がくるくると回転することでわかるそうだ。

「僕はとっても運がよかったんです!親たち以外だれも来たことがなかった部屋に、ニニギ様が来てくれて、気づいてくれて、連れて帰ってくれて。

 名前も由来さえ気にしなければ、かっこいいからお気に入りです!」

「由来はだって可愛いじゃないか・・・。」

 ニニギは不服そうにぶつぶつ言った。

「では、あとで何人か卵の部屋に行かせて見よう。ところで、ニニギは天津神だが、天津神以外でも大丈夫なのだろうか?」

「それはわかりません。試していただきたいと言うしか・・・。」

「よし、では後ほど仲間のうちで、天津神、国津神、人間、そしてそれぞれの間で生まれた子たちを選出して、順番に部屋に行かせてみよう。昨夜の打ち合わせについての報告と相談が終わったのちに取り掛かるからちょっと待っていてくれ。」

「卵たちもきっと喜びます!」

 スサノオの言葉に、ゴーマは喜んで部屋を飛び回ったのち、ニニギの膝の上で眠り始めた。

「生まれたてなのに今朝からずっとはしゃいでいて。さすがに疲れたんですね。」

「これで仲間がもっと増えるな。喜ばしいことだ。」

 スサノオの言葉に皆が大きく頷いた。

「では、まずは報告だ。

 魂魄の浄化について、こちらかの提案通り少しづつ進めていくことになった。組織作りもこちらで行ってよいとのことだ。

 俺としては、転生させる魂魄の選定は、俺と根の国の侍従が行い、キビヒコに承認してもらおうと思う。その後、キビヒコが編成した鳥たちをそれぞれの魂魄に付けて監視と補助を行いつつ情報を収集する。得られた情報は、ニニギが分析し、その結果をキビヒコと確認して俺たちに報告すると言った形を考えている。どうだろう?」

 スサノオのしっかりとした構想に皆大きく頷き、拍手まで起こった。

「スサノオ様・・・ご立派です!!」

 因幡などは感激のあまり立ち上がって拍手している。

「なんかその反応、素直に喜べない・・・。

 まぁいい。

 ただその鳥たちだが、ゴーマのことがあったから、大幅に数が増えるかもしれないし、それほどでもないかもしれない。それに各々の能力確認も必要だろうから、キビヒコ、大変かもしれないけどよろしく頼むよ。あ、ウワハル殿が体に気を付けてだって。」

「畏まりました。ウワハル様のためにも。」

「で、ニニギと因幡とオオクニヌシはオニムカデのほうを頼む。オオクニヌシが他国の有力者情報をまとめて工程を組んでくれるだろう。オオクニヌシ、ニニギに情報分析を頼みたいから、まずは3か月に一度こちらに戻ってくるように予定を組んでくれ。」

「お任せください!」

 オオクニヌシが胸をたたき、因幡とニニギは頷いた。

「で、残るはナガスネヒコだがニギハヤヒ殿のご家族を仲間に入れてはならない、情報を伝えてもならないとオモイカネ様から言われた。なので、表向きのことをご子息のウマシマジ殿にお任せしたいと思う。ナガスネヒコは彼の補佐を頼む。」

「承りますが、ウマシマジ殿も我々の妹も我らを裏切ることはないと思いますが・・・。」

「うん、俺もそう思っているしオモイカネ様たちも信じてはいらっしゃる。ただ、ニギハヤヒ殿が我らの動向について言及されなかったのは、ご家族を守るためでもあったのではとおっしゃられてな。」

「なるほど・・・。知らないという立場を貫いたほうが安全ということですね。

 承知いたしました。ウマシマジ殿を立派に育て上げるとともに、お守りいたします。」

「ああ、俺も親友の家族を守りたい。くれぐれもよろしく頼む。何かあったらすぐ報告してくれ。それと、シタハルから身体を鍛えろよって。」

「畏まりました。動けるジジイになって見せましょう。」

 ナガスネヒコはにやりと笑った。


 その後、卵の部屋に向かう人員の選別が行われた。

 天津神としてはスサノオとニニギ、国津神としてはオオクニヌシ、天津神と国津神の子供としてスサノオの娘のスセリビメ、国津神と人の子としてはキビヒコとナガスネヒコ、人としてはスサノオたちの仲間であり侍従と侍女でもある双子のタツキとムツキ、そして因幡もつれていくことになった。

「では、昼食後に卵たちに会いに行こうとしよう。

 ゴーマのことを知っていないものもいるから、まずは客間に集まるように。キビヒコとナガスネヒコはここにいる者以外にこっそり伝えて、こっそり集まるように伝えてくれ。」

 では昼食後にと解散となった。

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