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■ 王妃救出作戦

その頃、女性陣達にも忍び寄る影が。


賑わう王都の大通り。

露店の軒先で、ミラが山盛りの串焼きを頬張りながらお酒も飲んでご機嫌だ

アリシアは呆れた顔で財布を握りしめ、

リノアは新しい魔道具の部品を真剣に吟味していた。


「……んぐっ! うまーい!!

 ここの羊肉、塩加減最高だな!」


「……ちょっとミラ、少しは財布の心配しなさいよ。」


「だって誠が私の為に出してくれたお金だしー。」

「いや、3人のだからね!?」


そんな賑やかな声のすぐ後ろ、

ふと路地の奥から黒い外套の人影が姿を現した。

静かに、しかし確かな足取りで彼女たちに近づく。


「……あなた方が、ディメストリアの……。」


ミラが口の羊串を咥えたまま振り向く。

「ん? 誰だアンタ。」

リノアはスタンガンの筒の先を向けたが


「決して怪しいものではございません。」


外套のフードをわずかに下ろすと、

その顔は王都の平民には似つかわしくない鋭い目をしていた。


「――私は王妃陛下に仕える密偵です。」


リノアが眉を上げ、スタンガンを胸ポケットに収めた。


アリシアがさっと周囲の視線を確認する。


「……こんな人混みで何の用?」


密偵は小さく声を落とす。


「王妃様が……魔族に命を狙われております。

 あなた方の“聖域”に……匿って頂きたい。」


アリシアが冷たい目で見つめる

「誠を追放したのに今更?」


「そのことについても改めてお話させてください」


リノアが頬に指を当てて考える。


「誠に伝えなきゃ……すぐに集まって作戦会議ね。」


密偵の目には、必死さとわずかな希望の光が宿っていた。



待ち合わせ場所に誠は3人が見知らぬ男女を連れて来ていた。


逆にアリシア達も誠が知らない人物を連れていたが、

その見知らぬ男女と密偵は知り合いだったようでコクンと頷きあって話が通じたようだ。


人目を避けるため、

誠の空間再構築で王都の裏手に即席の隠し部屋が作られた。

テーブルを囲んで、誠、ミラ、アリシア、リノア、暁斗、沙耶、そして密偵が集まる。


誠は密偵の言葉を確認するように繰り返した。


「……つまり、魔族は王都を掌握しようとしていて……

 だがまだ決定的には手を下せていない……?」


「俺のスキルの危険性に気付いていた国王(魔族)は俺を追放したと」


密偵は深く頷いた。

「これは王妃様に頼まれて調べたことで判明したことですが、誠様のスキルは空間を操るスキル。

魔族にとっても脅威の存在になる為、追放したことが分かりました」


「王妃様は光の精霊の加護をお持ちで魔族も迂闊には手を出せないのです。城内全体に流した瘴気を吸って王妃様は寝込んだままです。精霊の加護が無ければ命も危なかったと思います。

もし、王妃様が外へ逃げると知れば、魔族は必ず本性を現します。」

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リノアがにやりと笑う。

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「だったら、あえて情報を流して泳がせましょう。

 “王妃が聖域ディメストリアへ亡命する”って。」

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ミラが肩を揺らして笑う。

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「そんで本性晒した所を、こっちでまるごと引っこ抜いて浄化してやろうぜ!」

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アリシアが冷たく剣を握る。

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「私が王妃を守る。魔族が尻尾を出した瞬間、斬る。」

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誠は深く息を吐き、密偵を真っ直ぐ見つめた。

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「大丈夫だ。

 女神の加護を受けた街に入った時点で、

 奴らの瘴気は全部――“再構築”してやる。」


「誠、俺たちも一緒に戦わせてくれ。」


「あと、私のスキルはどれだけレベルを上げても発動しないのだけど、

ディメストリアで調べることはできない?」

それは確かにおかしい。聖女のスキルが使えない?

これも魔族が関わっている可能性がある。


「わかった。一度ディメストリアに戻って体制を立て直そう」

「謁見も魔族の罠だな。」

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作戦は動き出した。

王妃救出の鍵は、

“魔族を誘い出し、本性を暴き、聖域で根絶やしにする”。

聖域ディメストリアの理は、

ついに王国の闇に切り込む――。


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