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閑話 旅の途中の熱き戦い?

王都へ向かう街道。


リノアの改良と誠の空間再構築によって生まれた移動拠点馬車の中は、

まるで走る小さな屋敷そのものだった。


ふかふかのソファに腰かけたミラが大きく伸びをする。


「は~~、外はガタガタでも、ここは全然揺れないの最高だねぇ~」


テーブルには軽食と酒。

奥には簡易寝台で昼寝をすることもできる。


そんな中――


ふとアリシアが口を開いた。


「……せっかく王都に行くんだもの。

久しぶりに買い物がしたいわ。」


リノアも頷く。


「私は新しいお酒とそのつまみが欲しいかな♪」


「「それ一人で行けばいいじゃん!」」


と、ここで誰が誠と一緒に行くか問題が発生した。

ミラが酒瓶をくるくると回しながら、にやりと笑った。


「で?どうせなら誠と一緒に行きたいんでしょ~?

護衛ついでってやつ?」


「べ、別に……護衛っていうか、情報収集もあるし……!」


アリシアは珍しく頬を染め、目をそらす。


「わ、私だって……初めての王都は不安だし……そう、そうです。

1人じゃ不安、うん。」

リノアは何かを自分に言い聞かせているような言い方だ。


ミラがずいっと立ち上がった。


(なら決めるしかないね!

誠と王都デートを賭けて――勝負だ!)


(((私が勝つ!)))

3人は目を合わせて、心の中で叫んだ


さっそくテーブルにトランプを広げ始めていた。

リノアが2人に教えたトランプだ。


「じゃーんけんぽん!負けた人が一枚捨てて~」


「……リノア、顔に出てるわよ。」


「アリシア、さっきから引きが良すぎるの不自然だわ!」


緊迫したババ抜きが、ゆらゆらと揺れる馬車の中で繰り広げられる。


誠はソファで腕を組み、眠っていた。

この馬車の揺れ方はもう最高なんだよ。

絶対寝るから。


最後のカードが揃った瞬間――


「勝ったーーー!!」


勝利の声をあげたのは――ミラだった。


その声にびっくりして目が覚めてしまった。


「やった!王都では誠と一緒に市場巡りして、

酒場探して、美味い店探して――全部私の自由!!」


リノアとアリシアは肩を落とし、項垂れた。


「くっ……くやしい……」


「なんで……こんなにツイてなかったの……?」


だが。


誠がちらりとテーブルに目をやると――

床に、ほんのり青く光る小さな羽の欠片が落ちていた。


「……ミラ。」


「な、なに?」


アリシアも目を細めて睨む。


「……妖精、呼んだでしょ。」


リノアも眉を吊り上げる。


「まさかとは思ったけど、妖精に手札を覗かせてたんですか!?」


ミラはぷいと顔を背けるが、

頭の上にちょこんと留まっていた小さな妖精が、

バツが悪そうに羽をパタパタさせていた。


誠は深い溜め息をつきながら、

頭をこつんと叩いた。


「……ズルして勝つな。」


「だって!だってぇぇぇぇ!!

みんな本気だから!!私だって誠と二人で呑みに行きたいもん!」

「酔った誠にあんなことやこんな事を・・自主規制」


「いや、しないから!」


馬車の中は笑い声と小さな小競り合いでいっぱいになった。


外では馬が街道を進み続け、

小さな賑やかな物語を増やしていくのだった――。

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