■ オーバーキル寸前、まさかの“生け捕り作戦”
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中層階の攻略を終え、誠たちは最深層に足を踏み入れていた。
空気が変わる。気温は低く、湿り気のある風が吹き抜ける。
「……来るよ」
リノアが、小さく呟いた。
ズズン、と地響き。姿を現したのは――全身に鎧のような甲殻をまとい、両腕は大剣のような巨大な刃に変化した人型モンスター。
――《ダークアーマー・グランギル》
「脅威度はB級。知能も高く、過去にはBランクの大型パーティを壊滅させたこともあるって聞いたわ」
「こんなモンスターがいたら確かに廃村への道は閉ざされたままね。」
「おぉ……強そう」
ミラが目を輝かせる。
「でも、誠。これ、倒したらダンジョン閉じるわよね?」
アリシアがふと我に返って確認する。
「ああ。確かに――今倒したら、宝や素材、水晶の類が全部回収できなくなる」
「……よし。捕縛だな。」
誠がスキル《再配置》を使用。
モンスターの筋肉バランスを微調整して身体能力を低下させ、アリシアが風の壁で縛り、リノアがでライトで目つぶし。ミラが炎の弓矢を放ち致命傷を与える。
結果――ボス、気絶。
「おやすみ、ダークアーマー」
「うっそだろ……脅威度Bだよね?」
「寝顔かわいいじゃん」←ミラ
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誠たちはダンジョンボスを動けないようにしたうえで、
ダンジョン内に残された遺物や水晶資源の発掘を始めた。
「この水晶……魔力の蓄積率が高い」
「売ったらかなりになるね」
「ついでに宿代と晩酌代も確保っと」←ミラ
リノアは魔法実戦訓練を兼ねて、ボス部屋に度々出現する小型モンスターを倒していく。
そして無事資源回収を終えたのでサクッとボスを倒してダンジョンを閉じたのであった。