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Ⅰ.5. 周到


「最近、各国の動きが慌ただしいんだ。国境付近では小競り合いが続いている。それも、気まぐれなものじゃない。戦争の火種が、静かに燻っているって感じだ。ネームド──つまり強大な存在たちが、まだ動かず鎮座しているのは幸いだが……いつ彼らが目を覚ますかわからない状況だ」


 ラアス先生の声には、切迫感というより、深い憂いが滲んでいた。教室では見せない顔に、生徒たちは知らず知らずのうちに耳を傾けていた。


「加えて、各地で魔物や魔族の動きも活発になっているらしい。エリオン学園は平和な場所だが、外ではそうもいかない。学園祭の真っ只中でこんな話をするのは場違いかもしれないけど……備えあれば憂いなしってやつだ。だから、今のうちに力をつけておいてほしいんだ」


 そう言うと、ラアス先生は柔らかい笑顔に戻り、先ほどの重々しい空気を一掃した。


「さて、前置きはここまで。メイナード君!」

 先生が陽気な声を上げて手を差し出すと、教室内は少しざわついた。


「君はクラスで最も強い生徒だろう? せっかくだから、特別メニューだ。組み手の練習相手になってくれないか?」


 その言葉に、メイナードは一瞬だけ驚いたようだったが、すぐに顔を引き締めて口元に笑みを浮かべた。


「はい、いいですよ」

 先生の手には見向きもせず、メイナードは黙々と間合いを詰めていく。腰を落とし、両手を腰の横に置いて構える姿には、自信と余裕が滲んでいた。


 その間に、ラアス先生が振り返り、生徒たちに声をかけた。


「あ、みんな! 二人組を作って練習を始めてくれ!」


 その声をきっかけに、グラウンドが活気づく。生徒たちはざわざわとペアを探し始めた。アレンの隣には、いつの間にかラッツが立っていた。その気安さが、少しだけアレンの心を和らげた。


 一方、メイナードの顔にはわずかな不満が浮かんでいる。


「ユイちゃん先生がいないからって、ラアス先生、怪我しちゃうと危ないっすよねぇ。仕方ないから、少し加減してやるかな」


 メイナードがそう言うと、その両手には炎が灯った。その軽口を、周囲の生徒たちは思わず黙って見守った。



 メイナードが火の拳を構えると、ラアス先生はふと微笑んで言った。


「待ってくれ、遠慮する必要はないよ。何故なら──今日はこれがあるからね!」


 そう言いながら、ラアス先生は腕時計のような小さなガジェットを取り出した。


「これはね、あのドワーフたちが作り上げた最新鋭のシールドだ! 見た目は地味だが、機能はすごいぞ!」


「はいこれ!はい回して!ハイ」と早口でまくしたてる先生の声に、周囲の生徒たちの好奇心が刺激される。


「みんなに回ったかな?こうして腕につけて、守ってと念じてくれ。すると──ほら!」


 透明な膜のようなものが彼の体を覆った。それはスーツのように体にぴったりと張り付いている。


「見たか? これがナノ何とかってやつの力だ! 耐刃、耐衝撃、耐火性、全部揃ってる。権天級の魔法だって防げるんだぞ! これをみんなにも配るから、練習で怪我をする心配はない。ドワーフたちの技術は本当にすごいよねぇ。いやぁ、神様が魔法を彼らから取り上げたのも、彼らの技術があまりにも素晴らしいからかもねえ!」


 先生の饒舌な説明に、生徒たちは半ば呆れつつも感心した様子だった。一方でメイナードの表情は面白くなさそうに歪んでいる。彼は炎をかき消しがら、ふっと小さく息を吐き、構えを解いた。



 クラスメイトは怪訝そうに配布された腕時計を眺めている。アレンは、手渡されて、早速念じた。ガジェットから現れた黒い膜が、腕を伝って、足先から胸元まで、一秒もかからず覆い伝った。

 体を覆った黒い膜が、首元まですごい勢いで這い伝ってくる。


「うあっ」


 目が効かなくなるのではと、一瞬小さな声を上げてしまった。だが頭の先まで伸びきると透明になって視界を邪魔しなくなった。


 腕時計をしている感覚のみで、何の違和感もなかった。これで防御力があるなら大した優れものだ。


「アレン、お前はすごい度胸やけど、少しは疑うことを覚えた方がええぞ」

 ラッツが、親しみと呆れとほんのすこしの侮蔑が混ざったような顔でアレンに笑いかけると、続けてラッツが、黒いシルエットになり、またすぐに笑顔が現れる。


 アレンとラッツをみた生徒たちが、頷いておそるおそる膜に包まれていく。

 メイナードは最後の一人になって、ようやく包まれた。

 皆、警戒心が強い。学園でも上澄のトップ層だからだろうか。そんなアレンの不思議そうな顔を見て、ラッツが、声を抑えた。


「まだみんな、ラアス先生たちをよそ者だと思ってんじゃねえか?ユイちゃん先生は、別だと思うけど」


 そうラッツが話すのは、無理もない。エリオン、エルフの国は、ここ数百年の間、ほぼ鎖国状態にあり、独自の文化を築きあげてきた。時代の流れと共に、近年はやっと他国からの留学なども受け入れ始めたが、排他的思想は、いまだ根強い。


 他国のガジェットなど、みるのは初めてなんじゃなかろうか。アレンは、スタミンを通じてある程度のことに触れてきてはいるが、まだ知らないことばかりである。


 エルフの文化を守るためと、みな話すが、その高いプライドと、選民思想が邪魔しているようにも見えた。


 ただ、実際のところ他民族より、エルフ族は秀でた箇所が目立つ。端正な立体的な顔立ち、すらっとした体型に、細長い手足と高い身長。他民族が羨ましがるであろう体型に加え、高い身体能力と、高い魔法適正をもつ。おまけに世界一の長寿だ。


 かく言うアレンも、エルフとしてのプライドは人並みに持っているつもりだった。しかしこの便利道具の話はそれとは別件だと区別はつく。


「そうかなあ。ラアス先生たちはいい人だよ。考えすぎだよ」

 本心だった。


「まぁお前は俺らより年下やし、そんなもんやろな。そのままのアレンでおってくれよ」


 ラッツの優しい声に胸がちくりといたむ。年齢の差を指摘されたからなのか、侮られたからなのか分からなかった。


「みんなつけたかな?それじゃ、今日の組み手デモンストレーションといこう。メイナードくんと僕の近くにきて。見えるところまできてね!」 


 ゾロゾロと二人を囲うようにみんなが集まる。喧嘩を野次馬している妙な気分になる。皆もその気分になっているのか、口数が多く騒ついている。


「どっちが勝つと思う?俺はやっぱりメイナードかな」

「ラアスくんの硬さっていったら、とんでもないらしいぞ」

「ふええ、私はメイナードくんかなあ…」


 どっちに賭けるだとかの話で持ちきりだ。

 騒ぐ学生たちに対して、ラアス先生が拍手を二回打った。


「さあさ、みんな静かに。説明するよ」

 皆の注目が集まるように腕時計をかかげてみせた


「このシールドは、我が校仕様で特別に、オート訓練モードがある。正面五十mにシールド所持者がいた場合、強制的にペアリングされ、長いピープ音が鳴る。訓練モードになった合図だ」

 ブーンと、重低音が鳴る。


「メイくん打ち込んできてくれ。解除方法だが、どちらが一方が三回ヒットしたら強制的に解除される」


 ラアス先生が言い切る前に、風切り音と、警告音がして、先生の左頬から十センチほど離れたところが赤く光った。


「そう!そして光った回数をカウントしてくれる。つまりだ。三回ヒットし音が鳴ってしまった方が負けだ」


 続いて、先生の右頬、背中が光り、ビーっと低音と高音が混ざった音が鳴り響いた。メイナードは相変わらずニヤついている。


「……このように訓練モードが解除される。また訓練モードにする場合は先ほどと同じく手順を踏んでくれ。分かったね?」


 返事したのは数人だった。みなシールドに夢中になりピッというペアリングモードの開始音を返事代わりにしていた。クソナードのクソムーブをほとんどが見過ごしていた。あまりいい気分ではない。


 おもむろにラアス先生が手を振りかざすと、先生の前のグラウンドの地面に深く線が刻まれる。


「負けた人は僕から向かって左へ、勝者は右へ」

 勝ち抜き戦のようだ。


「構えて」

 普段おどおどしている人の声とは思えない気迫の入った声が体を貫く。


 水を打ったように静かになり、各々の違ったスタイルの構えをした。


「はじめ!」


 ものの数秒で、ラアス先生が三回の警告音と共にアラートを鳴らす。


 みな向き合った構えのまま、驚きの表情でメイナードを見つめる。


「口ほどにもねえ」

 と、スタスタ右側に歩いていくメイナードの背中は愉悦に浸っていた


「あっちゃー、みんなにいいとこ見せられなかったなあ。はい。続けて続けて」


 地面に尻餅をついているラアス先生を、あるものは憐れみの表情を浮かべ笑いかけ、あるものは鼻で笑った。これで先生の指示で訓練というよりも、装備のお試し会のような雰囲気になった。


「よくないよ。相手がメイナードだからさ」


「分かっとる。みんなメイナードの鼻を明かしてやりてえって期待してたから、余計に残念なんやろ」


 ラッツが年上らしいことを言って右手のストレートを放った。拳が顔めがけて飛んでくる。それを避けると同時にクロスさせるように、カウンターを右手で打つ。警告音がする。綺麗に入ったようだ。


「うわきったねえ!」

「話の途中で殴りかかってきたのはどこのどいつだよ」


「うるせえもう始まってんやわ!」

 バックステップで距離を取ったラッツは詠唱を始める


「荒ぶ風の子よ!早駆けや!《ウィンドカッター!》」


 扱いやすさが取り柄な天使級の風魔法を打ち、牽制をしてくる。


 (魔法ありなのか?)


 チラッと横目でまだ尻餅の体勢で座っているラアス先生を見ると、ニコッと笑い返してくる。


 近接で唱える魔法も近接戦闘の範疇だよ、とでもいいたげな笑顔だ。


 その笑顔に笑顔を返し、地面を蹴って空中に躍り出る。


 一瞬遅れて風魔法が着弾し、さっきまで立っていた地面が炸裂する。


「お返しだぞ」


 無詠唱で、大天級の風魔法を両手からタイミングをずらして2つ、前後に放った。


 ラッツの方向から小気味がいい音が二つ連続して、アラートが鳴った。


「距離を取ったら上位互換の魔法がとんでくるわ、詰めたらカウンターがくるわ、おまけに大得意の水魔法は封印してらっしゃるって?勝ちようがねえわ」


 地面に大の字に寝ながら、口をあんぐりあけて空を眺めてラッツはそう溢した。


「水魔法の件はラッツにしかいってないんだから、大きい声で言わないで!っとまぁ、お褒めに預かり光栄でございます」


 勝利の心地よさをあまり顔に出さないようにして畏って一礼をし、ラッツを助け起こした。


「そうなん?わりぃわりぃ、水出すとバーサーカーになるわーとか、言ってたやんな」


「や、め、て」


「は、い」


 二人で戯れあった後に、周りを見ると、いつのまにかほとんどが決着がついて左右に分かれていた。


 仲良しで組むと手の内が分かっており、決着がつくのも早いのであろう。


 最後の組のアラートがなり、完全に篩い分けされた。


「はい。では負けた左の人はシールド外して僕にちょうだい。渡し終わったらグラウンド50周ね。」


「は?なにそれー!」

「それなら先生もでしょー!」

「僕のはエキシビションだ」

「ずるいわ」


 敗者たちは口々に文句を言いながらも、トロトロとトラックを走り始めた。


「さ、勝利の子たちよ。まずはおめでとう」


 そう言って、先生は空中に四角の箱を投げた。


 ボコンと海中にあるものが水圧で押し潰れるような音がすると、一辺五十mはありそうな立方体が現れた。


 これも、かのドワーフの産物だろうか。先生の顔を伺うと、キラキラと目を輝かせている。そうのようだ。


「これはドワーフの至高の開発品だ!内部からの影響を外部にもらさない、いわば逆シェルターなんだ!たくさんの機能を持つけど、長くなっちゃうから割愛するよ!ここからは乱取りだ!」


「六人ずつ、各面から入ってね!一人余るからメイナード君は、ハンデとして五秒数えてから好きな面から入って」


 立方体の面を抜ける時に、つるりとした薄い天草の膜を通った気持ちになった。ほぼ抵抗はなかった。


 アレンは正面から入った。


 中央に向かって走るもの、入ったところから動かないもの、武器の確認をするもの、みんな多種多様な動きをした。五秒たってメイナードも入ってきた。


「全員入ったね!半数が減った時点で勝手に立方体は消滅する!それまではなにをしても外には出られないからね!今回は森を想定するよ!では開始!」


 先生がなにかをつぶやいて立方体に外から手をかざすと、たちまち中に木々が生えて太陽を遮断し鬱蒼とした森が出現した。


 サバイバルの座学があったのは、このためだったのだろうかとアレンは考えていると、後方から魔力の増大を感じた。


「しゃらくせえ」


 メイナードはそう吐き捨てると、右拳を突き出して大きな炎を宿し、左手を右手の甲に覆い被せて魔力をこめた。人一人分の炎の塊を目の前に携え、左から右へと薙ぎ払った。


 たちまち立方体内が炎に包まれる。立方体に、逃げ場はない。阿鼻叫喚の騒ぎとなった。


 けたたましくヒット音と敗北を知らせるブザーが、各地で鳴り響き、開始からものの数秒で立方体はその役目を終えて消え失せた。


「もっと細かくルール決めろよ!アホ教師!最悪死人が出てたぞ!!」


 熱気を纏って走り出てきた坊主頭がキレ散らかす。


「ごめんごめん。とは言っても、シールドより強力な魔法はまだみんな打てないはずだからさ」


 遅れてブザーを鳴らした生徒たちが地面に次々とダイブしていく。


「死ぬ!死ぬ!」

「ふええ、おかあさあぁん!」

「魔法ありなんて聞いてないんですけど!!」

「熱い!熱くないのに熱い!」

「チートだ!チート!」


 半数というよりもほぼ全員が、他に伏してパニックを起こしていた。


「あれはグレーゾーンだけど、残念ながら近接戦闘の範疇だねえ。フレイムソードを、強化して応用したのかな。いやあ大したもんだ。にしても、みんな大袈裟だなあ。もしダメになっても、ユイちゃんが治してくれるよ」


 先生が、笑顔をふりまく。


 伏せていたしていた全員が、先生をみて叫んだ。


「そう言う問題じゃない!!!」


 クラスの心が久しぶりに、一つになった瞬間だった


「あのお、みんな大丈夫ですか?」


 そろりそろりとアレンが炎から顔を出す。目立つつもりは無かったが、常にパッシブで効果を発揮するオートリフレクションが発動してしまった。


「なんで無事なの?」

「生きてる?幽霊?」


 ペタペタと顔触ろうとするもシールドで触れることができない。


「簡易な反射魔法だよ」


「そんなの授業でやったかしら」

「ずるい!またアレン様だけ、アポロス様から習ったのね!」


 この魔法はアロポスのオリジナルであり、効果は倍にして全方位に反射する。つまり、アレンがリフレクションをしたが故に威力が増強し、皆を他に伏せたのであった。それを知るのは、アレンと、


「てめえ、カスレン。何しやがった。俺はあんな威力で撃ってねえぞ」


 メイナードだけだった。


「だからリフレクションだって。メイ君は、ご存知なかったか」


 メイナードは、黙って額に血管を浮かばせた。


 彼には一度お灸を据えてやりたいところだったので、少し胸が空いた。


「ぱんぱかぱーん!今度はシールドを全員から、回収しまーす。もちろんアレン君とメイ君もね。最終決戦は、こちら!」


 陸上トラックのバックストレート外側にある、校長先生が長い話をする演台の上に、直径二m、高さ二メートルほどの白い円柱があった。


「この上で、押し相撲をしてもらいまーす!円柱の範囲から落ちたら負けね。なんでもありだ!二人とも登ったら開始!」


「王族が落ちる姿なんてみたら、絶頂しちまうぜ」


 すでに登壇を終えて、円柱の上に立つメイナード。なんだかんだ言って従っているのが憎めない。


「アレン!メイナードが本気を出しおったら、ほんまに強いぞ!無理やと思ったら自分から降りろや!」


「ご忠告どうも!いま!いくよ!っと!」


 三段跳びの要領で、円柱の真ん中付近に着地した。


「ほう?」


 メイナードは、一切の振動を感じない着地に、感嘆を漏らした。


(こんなもんで、驚かれても困るけどね)


 すっと、両手を前に出すと、メイナードが膝を折り曲げ、体重をのせた渾身の力を両手にこめて、アレンの両手を弾き飛ばそうとしてきた。メイナードの手がアレンの手に触れる──。


 メイナードが押す瞬間に、垂直に跳び、空中で体を捻って、その慣性の力を使って、メイナードの行きたい方向に蹴飛ばしてやった。


 完全に予想外だったようで、メイナードはまあまあの高さから地面に顔から突っ込んだ。


「ふう。落ちる姿、ねえ」


 アレンはジャンプした慣性をいなして、音も立てずに円柱に降り立った。


 おぼっちゃまががばっと顔を上げる。口に入った砂利を砕く音が聞こえるほど、歯を食いしばって怒りに耐えているご様子だった。


「テ、テメェ…反則だろ!!」


 メイナードは、ラアス先生の方を振り返り、アレンを指差し言いつけた。


「いやいや、円柱から落ちてはいけないがルールだったよな。存外頭が固いんですね。メイ坊ちゃんは。そうですよねラアス殿」


 鼻で笑ってやった


「そうだね。ルール上、問題はないね。というわけでアレン君の勝ちだ。成績には加点しておくね!あと優勝者のアレン君にはプレゼントがある!あとで職員室にきてね!ちょっと早いけど休憩時間でーす!」


 ニ回戦目の内容に、クラスメイトたちは、まだ納得がいってなかったご様子かのか、はたまた国家総ぐるみの学園祭で浮かれているのか、地味な決勝に関しては、ほぼ上の空だった。


 せっかく、華麗にいじめっ子を、打ち倒したと言うのに。すこし猫背気味になってしまっていた。


 そんなアレンの曲がった背中を、少数の、真面目に見ていたクラスメイトには、よくやったな、見直したぞ、と優しく叩いてくれる人もいた。


 隔たりが少し薄まった気がした。メイナードはずっとアレンの背中に熱い視線を送っていた。彼との溝は深まったようだった。


 

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