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3.リオス・アークライトという賢者。

ここまでがオープニングです(*‘ω‘ *)

応援よろしく!








「あの、アメリア様……大丈夫でしたか?」

「え……?」




 アメリアが教室に戻ると、他の学生たちが彼女に声をかけた。

 意味が分からずに皇女が首を傾げると、その中の一人、ごく普通な容姿の男子生徒が言う。



「あのリオス、って落第生のことですよ。彼について調べたんですけど、あまり良い噂が聞こえてこなくって……」

「というか、むしろ悪評ばかりですよ!」

「悪評、ですか?」



 続いて他の生徒も口を揃えて頷いた。

 どういうこと、だろうか。やはり話の全貌が見えないアメリアは首を傾げ、そんな様子を見た一人が説明を始めた。



「あのリオスって落第生、成績は良いけれども素行が悪いそうです。先生方の授業内容に文句を言うし、行事は必ず欠席するし、それに――」

「噂だと、どこかの変な組織に入っている、って話もありました」

「貧困街にも頻繁に出入りしているそうですし、不潔ですよ!」

「………………」



 すると、次から次にきな臭い話が出てくる。

 皇女はそれらを聞いて、しばし考え込むのだった。

 もしかしたら、自分の心配は杞憂だったのではないか、と。



「とにもかくにも、あの人とはかかわらない方が良いです!」

「……え、えぇ。そうですね」



 そして、クラスメイトの言葉に頷いた。

 しかしどこか、喉に魚の小骨が刺さったような違和感が残るのだ。




「本当に、違うの……?」




 結局、答えは分からない。

 だが彼のことは、これからも注視していこう。

 そう思って、アメリアはクラスメイトの輪の中に溶けていくのだった。









 ――黒装束の男たちは『死』を目にしていた。



 もちろんそれは『概念』である。

 しかしいま自分たちの目の前にいる相手は、それとしか呼びようがなかった。自分たちとは明らかに一線を画す実力を保持し、その一部も発揮していない。

 言うまでもないが、皇女暗殺の任を請けた以上、男たちも相当の手練れだ。




「……どうした。もう、こないのか?」

「ひっ……!」




 ――だが、違うのだ。

 なにが違うのか。暗殺技術や魔法理論、その他にも体術などは同じ系統のものを扱っているのだろう。それでも、どう足掻いても敵わないと理解させられた。

 それはつまり、この落第生は『次元』が違うのだ。

 自分たちよりも数段上の領域で、何もかもを会得している。だから、




「だったら、そろそろ終わりにするか」

「あ、あぁ……!」





 何をされたのか、認識する暇すらない。

 ただ分かったのは落第生の姿が掻き消えて、意識が途切れたことだけだった。












「……ったく。中途半端な能力で、皇女暗殺依頼なんて請けるな、っての」




 俺は気絶した男たちを見下ろして、そう漏らした。

 そして彼らの懐にある緋色の紋章を確認し、ため息をつく。この紋章には、思い当たる節があった。暗殺者集団の中でも、最上位と呼ばれる団体のものだ。

 そうなってくると、皇女の暗殺依頼を出したのは、それ相応の金払いができる相手となる。そこまで考えてから、俺は大きく欠伸を一つ。




「まぁ、念のため気には留めておくか」




 もちろん、護衛依頼はしっかりこなすつもりだ。

 それでもこの程度の相手なら、いまのところは大丈夫だろう。



「ただ、問題は暗殺者よりも――」




 ――その依頼人、といったところか。

 とは言っても、いまはどうしようもない。




 そう考えてから、俺は時間を確認。

 そして――。





「……次の授業、サボるか」




 どこか日当たりのいい場所で、惰眠を貪ることに決めたのだった。



 


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