表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

2.特別扱いしないで。

(*‘ω‘ *)書いたら出す!!







「……それで、アメリア様は俺に何の用ですか?」

「『様』なんて付けないでください。貴方が、私の護衛なのでしょう?」




 ――昼休み、校舎裏にて。

 俺とアメリア皇女は、二人きりで話をしていた。

 他の生徒たちからは何事かと不審がられたが、どうやらアメリアは勘付いていたらしい。その証拠に一言目で、俺が彼女の護衛であることを言い当てた。

 だが、こちらとしてはそれを認めるわけにはいかない。



「なんのことですか。俺はただの落第生、ですよ」

「落第したからといって、学年まで下がるなんて聞いたことがありません」

「いや、それだけダメダメな成績なんですよ」

「………………」



 自分で言っていて悲しくなってきたが、嘘だと割り切った。

 こちらが白を切ると、皇女は納得いかないという表情で睨んでくる。どうやら平穏無事な学院生活を送りたい彼女にとって、俺は邪魔者でしかないのだろう。

 そう考えれば、この敵意も納得だった。




「……本当に、違うのですか?」

「はい、違いますよ」




 だから、これといって不快にも思わない。

 俺はさらっと流しながら、時が過ぎるのを待った。すると、



「そう、ですか……」



 ようやく諦めたらしい。

 皇女は小さく言うと、一つ深呼吸をした。

 そして、改めて意を決したようにこう言うのだ。



「分かりました。それでしたら、いまは貴方を信じましょう」

「ありがとうございます。皇女殿下」

「その代わり、お願いがあります」

「……お願い?」



 俺が訊き返すと、彼女はどこか悲しげにこう口にする。



「本当に、特別扱いはやめてください。……貴方も、気持ちはわかるでしょう?」




 そうして、皇女はその場を後にするのだった。

 俺はその小さな背中を見送って、一つ気怠いため息をつく。




「特別扱い、ね。……だそうですよ、皆様方?」





 そして、周囲の気配に対してそう告げるのだった。






「落第生と聞いていたが、なかなかどうして勘が鋭い」

「我々の気配に気付きながら、表情一つ変えないとは」

「その胆力、この学院で腐らせるにはもったいないな」





 すると黒装束に身を包んだ三人の男が、俺のことを取り囲む。

 いま一人で行動している皇女を狙わない様子を見るに、こちらを先に排除するべきと判断したようだった。それは間違いではない。




「まずは貴様から排除させてもらうぞ、落第生」

「そっちがその気なら、俺も容赦しないから覚悟しろよ?」




 しかし、同時に不可能でもあった。

 何故なら――。




「訳も分からないまま、死にたくなかったらな……!!」





 ――俺がこのような相手に、負けるわけがないのだから。




 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ