ティベリウスについて ー ローマ帝国における最良の皇帝
塩野七生氏の「ローマ人の物語」ローマ帝国第二代皇帝、
ティベリウス編を読んだ際の感想です。
4年前にフェイスブックに書いた文章です。
塩野七生氏の、「ローマ人の物語」は、通読しているが、ティベリウスを描いた第七巻第一部は、何回か読み返した。
カエサル、アウグストゥスの後を継いだ、ローマ帝国第二代皇帝。五十五歳になる手前で皇帝(第一人者と訳される地位に就いた訳だが(実質的には皇帝であったとされる))、スタンドプレー、自分自身の人気取りには無縁で、地味ではあっても、増税は行わず、健全な財政を守り、実質的、実利的な、見事な統治であったかと思う。在位は二十三年間。
この部の最後に書かれていること
・十九世紀の歴史家モムゼンのティベリウス評「ローマがもった最良の皇帝の一人」
・国際政治学者、高坂正堯氏「ローマ皇帝の中ではティベリウスに他の誰よりも共感を抱く」
・塩野七生氏「ティベリウスを書き終えた今、高坂氏が言われたことの理由が、私には分かるような気がする」
世界史の中で、ティベリウス、ルイ・ナポレオン(ナポレオン三世)、アデナウアーは、もっと評価されていい人物ではないかと思う。
日本史の中で、そのように感じるのは、藤原不比等と原敬、そして毛利元就(は、既に一般的に評価されているのでしょうね)。北条義時も加えたいが、彼の時代は、有力御家人の粛清沙汰が多かったので、その点が減点かな、と思う。
世界史の中では、元々はナポレオンの部下の元帥のひとりで、スウェーデン国王になったベルナドットも、もっと評価されてよい人物であると思います。