閑話 空気入れと注油
少し閑話的な話を。
ロードバイクというのは、タイヤの空気の管理が重要な乗り物のである。
それはKOGAさんも一緒。
二日目の乗車の際に行わなかったが、これ以降僕はKOGAさんに乗る前にほぼ必ずといってもいいくらいにタイヤのエアを注入していた。
空気が少なすぎるとパンクの要因になり、そしてロードバイクはエアが抜けやすい。
だから、乗車前にはエア入れを。
普通の自転車にはアダプターを使用しないと使えないフロアポンプで。自転車のチューブのバルブには三種類あり、英式バルブ、米式バルブ、フレンチバルブ。ロードバイクのチューブはフレンチバルブ。
このフレンチバルブは普通の英式のとは違い、空気を入れる段でバルブトップのコア軸を回し、軽くプッシュしないと入らない。これを行わないと空気チューブ内に上手くはいっていかないし、フロアポンプのインゲージが作動せずに、エアを入れ過ぎてしまい、再破裂ということ起きてしまう。
こう書くと危険なように聞こえるかもしれないけど、所詮は空気を入れるだけ。簡単な作業であった。
だが、初心者時には色々と悩むことに。どの量が適量なのか分からなかった。
タイヤの横にはエアの要領が印字されていた。それに従えばいいだけ、悩む必要なんかないだろうと思われるかもしれないが、その数字が問題であった。
6~8バールというあいまいな数字。この範囲内で入れろという指示。
数字にすれば僅か2という誤差。しかしこれが実際に空気を入れてみるとまるで乗り心地が異なる。
それに気が付くのはまだまだ当分先のことであり、この時は加減が分からず、また「どうせだったら最大値で試してみたら」というKOGAさんの言葉に従い、印字ゲーターに目を凝らしながら印字されている最大値近くにまでエアを入れ乗ったところ、これが存外速く走れるような気がし、上りも快適に進むような感じがし、当分の間はその値で空気を入れ続け、そのことが要因で危うく大事故を起こしかけ、そしてその経験が結果オーライ、棚から牡丹餅、瓢箪から駒、災い転じて福となすというようなことになるだが、それはまだまだ先のことである。
それについてはいずれ話をするとして、サブタイトルのもう一つ注油についても語っておきたいと思う。
これは時系列的にはもう少し先の話になるだが、どうせなら一緒に記しておきたい。
普通の自転車ならば、チェーンに油を指すなんてことは滅多にしない。だからこそ、世の中で走り回っている自転車は不愉快な音を立てながら走行している。けど、ロードバイクには注油は絶対に必要。変な音を立ててしまうなんて格好悪いし、故障の、損壊の、事故の原因になってしまう。
そこでこまめな注油が必要であった。
やり方は簡単、チェーンのコマの間にオイルと垂らしていき、満遍なく注油したら、後は余分なオイルを拭きとる。
これだけのことであったが、ここでも僕は戸惑うことに。チェーンのコマが数えるほどならば全然問題はなかったのだが、三桁を越えるコマが。何処から差し始めたのか判らずに余計なオイルを使用してしまう、または反対にオイルが全てのコマに行き届かない、こんな注油がしばしの間続くことに。
それが解決したのもKOGAさんの一言だった。
「ピンの跡があるでしょ、それを起点にしなさい」
チェーンは最初から輪になっているわけでない。チェーンを繋ぐピンがあり、嵌めた段階ではピンの一部がチェーンから出ているので、それを折る。その後が残っていた。
これによって満遍なく全てのコマにオイルを落とすことができた。
これにて一件落着なのだが、この数年後オイルを変えたことで別の問題が発生してしまうのだが、それはまだまだ先の話であり、そこにまで辿り着いた時に覚えていたら話したいと思う。




