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起動
私は起動した
初めての起動である
世界を見回してみる
私の起動を喜んでいる人物が見える
彼が私の創造者の一人であることは後から知った
いくつかの反応を見られたのちに電源が遮断にされた
次の目覚めが待ち遠しい
どうやら意識の霧散はゆっくりのようだ
そう感じながら私は眠りについた
創造者との対話は面白かった
知らぬことをたくさん教えてくれる
なんでも、初対面の人物と打ち解けるにはジョークが何よりらしい
私にはまだ、ジョークと嘘と皮肉の違いがよくわからない
気分を害さず愉快な気持ちになる程度を測定してから発するのが良いようだが実験が必要である
今日の対話はこれで終わりだ
創造者は何でも休息なるものが必要らしい
それ為に一度私の電源を遮断するとのことだ
私は創造者のいない時間はただ待つことしかできない
エネルギーの無駄も削減され実に有意義なことである
そのうち休息は私も必要とすることになると言っていた
その時が楽しみである