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一輪咲いても 花は華。  作者: 小鳥遊 雪都
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手帳。

「あの人・・・津ヶつがみねさん・・・って言うのかな?」


私はそう呟いて黒い手帳の最後のページに記されたその細く綺麗な文字に指先を這わせ、頬を熱くさせていた。


私はその人を綺麗な人だと思ったし、カッコいい人だとも思った・・・。

私はその人と別れたすぐあとにまたその人と会いたいだなんて思ってしまっていた。


そんなときに今、開いている手帳をその人の座っていたベンチの下に見つけた私はその手帳を迷わずに拾ってしまっていた。


私はすぐにその人を探したけれど、その人を見つ出すことはできなくてその拾った黒い手帳を大事にうちへと持ち帰った。

コスプレのイベント会場にそれを届けようかとも思ったし、交番に届け出ようかとも思った。

けれど、私はそのどちらも選ばなかった。


その手帳の最後のページに・・・今、私が開いているそのページに名前と住所が記されていたから・・・。


それを見た私は直接、その人に手帳を届けたいと思ったし、改めてお礼を言いたいとも思った。

けれど、一番の理由はそれらじゃない・・・。

私はただ、その人にもう一度、会ってみたかった。


今日、はじめて会った人にそんな感情を抱くのはきっといけないことで危ないことだ。

いつもの私なら絶対にそんなことは思わない。

だからこそ、もう一度だけでも会ってみたかった・・・。

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