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case22 部活の人間関係(1)

その『依頼人』は大学生だった。サークル活動、いわゆる部活で諍いがあったらしい。


「事前に協力してくれなかったら退部にするって言ったんです。顧問の先生からも協力的でない人や部活に参加しない人は辞めてもらうように、とのことで、協力してくれなかった人がいたんですが、その人がなんの反省もしてないような口ぶりで…。」


まあ、よくある話だろう。と探偵は心の中で納得した。生きていく上で自分と合わない人間なんてこの世にはわんさかいるだろう。本能的に合わないと感じる人間、会話が合わない人間、数えだしたらキリがないだろう。


「同じ学年のみんなで話し合ったんです…他にも退部になる人はいるからお前だけ見逃すことはできないって。俺は最初怒ろうとしたんですけど、なんていうか、またか…って気が抜けちゃって。俺、そういう時にスイッチが切れると一気に体調が悪くなるタイプで、だから寝込んじゃってその話し合いの場にはいれませんでした。」


部長は言ってしまえば中間管理職のようなものだ。顧問(うえ)からも部員(した)からも圧力がかかる。そんな中で下からの圧力が強くなったとなれば寝込むのも無理はないだろう。


「で、翌日その話し合いのことを聞いてみたら退部になる奴が死ぬ気で謝って許してもらおう、ってことになってたらしくて…。それが先週の日曜日のことです。俺、そいつとゼミが同じだからそこで言われると思うと…本当に辛いんです。」


辛いと言葉を吐く『依頼人』は心から疲れたような声を出した。おそらく心も体もボロボロになっているのだろう。


「とりあえず、応急処置とまではいかないが…お前はしばらく部活を休め。副部長とかいるんだろう?ならしばらく任せても問題はないさ。」


これでどうなるか様子見、といったところだ。そのまま何事もなかったかのように平和になれば言うことなしなのだが…果たしてそう上手くいくものだろうか。それで上手くいくものならば生きる人間の人生というものはもっと楽しいだろうし、もっと生き易いものだと言えよう。どうあれ、今はその部長には休息が必要だ。ボロボロの状態では何を話したところで正しい判断などできるはずがない。しっかり休み、その後でしっかりとした判断をするのが現状で一番ベストだろう。さあ、どう転ぶだろうか…。

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