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ワケあり会社員(2)

「結婚…ああ、これのことですか。」


男は左手に視線をうつす。


「もう随分昔のことです。仕事のストレスが祟ったのか、妻は子供を連れて出てってしまいました。皮肉なものです、家族のために働いていたのにその家族にも逃げられて…」


自分を嘲るように吐き捨てられた言葉はとても重かった。

しかしそれは探偵の意思を確固たる決意へと変えるには十分なものであったと言える。


「一つ、質問をしても良いでしょうか?」


「…なんでしょう?」


男は声色な変わった探偵を見て怪訝そうな顔を浮かべる。


「もしも…もしもその上司が貴方に関わらなくなったら…貴方は自殺を思いとどめて頂くことが出来ますか?」


「ど、どういうことですか?」


予想してなかった問いに男の声が一瞬詰まった。


「そのままの意味です。もし付け足すのであれば、それに対して後悔しませんか?これは簡単な質問ではありません、よく考えてください。」


探偵の質問の意図がわかっていない男はその質問に対して充分な時間をもって


「はい。」


と一言だけ答えた。


「本当に後悔はないですね?では、以上になります、お気をつけてお帰りください。」


男を見送ってすぐ


「如月、ついてこい。」


探偵は一言だけ告げると玄関から出ていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


探偵さんの後をついていってどれくらい歩いただろうか、人の気配が全くしない細い道にひとりの男の人がいた。


「俺だ、頼みがある。」


「その前に、後ろの女は誰だ?」


「俺の助手だ、気にするな。」


お互い短い言葉で会話をする。


「で、今回は誰だ?」


「とある会社の上司だ…」


交わされる会話に一抹の不安を感じそっと探偵にたずねる。


「探偵さん…もしかしてこの人…」


言葉を発し終える前に探偵の言葉が遮った。


「俺の幼馴染で、殺し屋だ。」

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