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自殺する老人(2)

「なんで自殺をしようと思ったんですか?」


自分なりにうまく解決できる自信がないので、探偵と同じように始める。


「なんで…って言われると答えに困るかな…。強いて言うなら…年を取ってきて生きづらい世の中になってきたなぁって感じたからかな。」


それはまだ若い如月にはわからない理由だった。具体的にどう生きづらくなったのか、昔の何が良かったのか、如月にはそれが全くわからない。もっと言ってしまえばそうさせたのは昔若かった貴方たちではないのか、と思わないこともない。


「今は…楽しくないですか?」


「そうだなぁ、楽しくないって言えばそれは嘘だけど…。自信を持って楽しいって言えるかは…また別なんだよなぁ…。」


年を取ってから楽しめることもあると思って聞いてみたがそうでもないようだ。


「僕さ、ご近所づきあいがいいわけでもないし、友達もそんなにいないし、ちょっと疲れちゃったんだよね。」


その老人は孤独に限りなく近い状態であったのだろう。そんな中で生きてきて辿り着いた答えが自殺だった。如月はそんな隣で座ってる老人(いやもはや『依頼人』となんら変わりない)を自分と重ねた。自殺の理由はわからないが『依頼人』の周りを取り巻いている環境はとてもわかる。


「それでも…生きてるとわかってくることもありますよ…。」


自殺した後の処理を頼まれた時の不安の混じった崩れそうな声とは違い、はっきりとした声。今までの自殺を考えていた自分であれば辿り着かなかったであろう。昔とは違う、今ならそれを自信を持って言える。


「じゃあ、それをこの年寄りに教えてくれんかね?もしかしたら、考えが変わるかもしれん。」


自分よりも若い人間がそれを知ってるとは驚きだ、ではその考えとやらで自分を止められるか?と言われているようだ。だがそれは流れが変わったようにも思える。半人前の助手に止められるのだろうか、そんな考えは既に頭にはなかった。


止めてみせる、今はそれしか頭になかった。私は探偵さんの助手だ。探偵さんであればどんなことであろうと止めるだろう。ならば私もそうでなければいけない、そうならなければいけない。

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