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特殊な2人(4)

「彼女の分まで生きる、なんて彼女に嫉妬していた私なんかが言っていいのかわからないですけど…でも、それで彼女が少しでも楽になるのなら…なんて考えてしまうんです。」


「いいんじゃないですか?誰かの分まで生きようって思うのはそれだけその人のことを好きだった証なんですから。」


如月は落ち込んだ人を励ますというより、これからの人生を激励するように言葉を交わした。


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「本当に良かったんですか、真実を言わなくて。もしかしたら、ですけど自殺じゃないってわかった方が『依頼人』さんは生きることに理由を見出したのかもしれません…。」


『依頼人』と話していた優しい声の助手はどこへ行ったのか、今は弱々しい声で自分のやったことが本当に正しかったのかを迷う如月がいた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「君の自殺は止めない、だが死ぬ前に1つ聞いてくれ。君の友人もまた同じことが理由で自殺しようとしている。」


「…やっぱり、そうなんですね。なんとなく、そうなんじゃないかって思ってる私がいたんです。あの子は…すごく優しいから…。もし、私が長い旅に出たら…彼女は生きてくれますか?」


予想はしていた、という言葉に多少の困惑を覚えた。冷静に考えればもともと2人は昵懇な関係であったため、互いのことをしっかりと理解していても何もおかしくはない。ここまでの思考を纏めた上で探偵はさらに続けた。


「そうだね、彼女は生きてゆくだろう。今までよりも強く、ね。そして、君の覚悟はしっかりと確認した。そこで提案がある。俺としては君に苦しんで死んでほしくない。だから、その道のプロに苦しまない方法を聞こう。俺にできることがあったらなんでも言ってほしい。例えば、彼女に手紙を渡す、だとか。ボイスメッセージとかでも構わない、悔いの残らないようにしてくれ。」


探偵の言葉は不確実性を含んでいるがこれから死にゆく『依頼人』に確かな安心感を与えた。


「いえ、大丈夫です。彼女なら…きっと私の分まで生きてくれますから。」


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「彼女は自分の意思で、言葉で、自殺を選んだ。方法を殺し屋に聞いてきた俺が殺したも同然だが、な。沢山の花に囲まれて眠ったんだ。下手な自殺よりは苦しまなかったろう…もしかしたら酸欠になったことに気づいてしまって苦しんだのかもしれない。でも、彼女の言った通り『依頼人』は彼女の分まで生きる、と言っていた。おそらくだが、彼女はその先『依頼人』がしっかり生きてくれることまで見通していたんだろうな。」


ゆっくりと、語る探偵の言葉はしっかりとしたものだった。死を選んだ『依頼人』が確固とした決意で生きてゆく『依頼人』に生を託したのに自分が震えていては格好がつかない。


「私も…私も、彼女を殺したようなものです。でも、彼女の分まで生きたいと…思ってしまいました。探偵さん、私も…彼女の分まで生きる資格が…あるのでしょうか?」


「それは自分が言っていただろう?誰かの分まで生きようと思うのはそれだけその人のことを好きだった証だって。如月、お前は『依頼人』を殺すと決めてからもその手を最後まで離さなかった。好きになっていたじゃないか。なら、もう答えはわかるよな?」

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