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最終話 助手と探偵

「意見…ですか。意見というほど大したものじゃないことならありますけど…。」


助手の考え込む声が聞こえてくる。


「それで構わない、どんなことでもいいんだ。」


思ったことを口にする。不安でも、怖くても、声にして…自信を持って。


「じゃあ…」


助手がおずおずと口を開き、そして短く告げる。


「嫌です。」


嫌、と一言だけ告げられて探偵の思考が止まった。嫌、とは?


「そもそも、私が助手をしている理由を忘れてませんか?」


その言葉をトリガーにある取り引きを思い出す。助手が助手になる以前のこと、助手になることと引き換えにサイトの運営を手伝うという内容、一連の流れがつい先程あったことのように蘇る。


「私は探偵になりたくてここにきたんじゃありません、まあ確かに探偵って響きはかっこいいですけど。ですけど!そうじゃなくて!」


言葉の調子が少し強くなるのを感じる。それと同時に探偵という職を多少否定されたような気がして気分が沈む。


「サイトの運営を手伝いたくてここにきたんです。自殺を止めるという行為、偽善にも思えることを躊躇わずに行うこと、なにより!」


言葉の調子がさらに強くなったのを感じる。助手がここまでの言葉を使ったのは依存云々について喧嘩をした時以来だろうか。


「自分の命を救ってくれた!その行為に!憧れを感じたからここにきたんです!」


知らなかった。いや、聞かなかったという方が正しいだろう。如月がどうしてサイトの運営を手伝わせてほしいと言ってきたのか。医者に救われた子供が医者を目指すのと同じように、探偵の目の前にいる少女は自分のを救ったサイトに。


その管理人に憧れたのだ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『ジサツサイト』という電子掲示板

そこにはたくさんの書き込みが並んでいる

サイトの書き込みがまたひとつ……


「如月、『依頼人」だ。」


「今回はどのような方ですか?」


書き込みがなくなることはないだろう。

それでも手を伸ばす。

それが無駄でも、手遅れでも。


手を伸ばす

長い間ご愛読ありがとうございました。

次回作等は未定ですが、希志加丕芽としてこれからも精進していきます。

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