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case4 信じることのできないフリーター(1)

9/2 サブタイトルに(1)を追加

その日、探偵さんは自分のデスクでパソコンとにらめっこをしていた、かと思うと唸り声をあげて突っ伏した。これを何度も繰り返すので気になって後ろからパソコンをそっと覗くと…


もう何も信じられない、やってらんない、死にたい。

死にたい死にたい

死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい…


「えっ!?」


思わず声を上げてしまった。正直怖かった、メンヘラという言葉があるがそれが似合うといえば良いのだろうか?


「如月、お前だったらこの人にどうやってコンタクトをとる?」


「あ、えっと…そう、ですね…。」


正直、こういうタイプの人は些細な発言でさえ爆発しかねないためとても話しづらい…


「探偵さん、二人で頑張りましょう。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


コンタクトが取れたのが奇跡であったと思う。私と探偵さんは互いに議論しあって相手を刺激しない言葉を選んできた。


「こ、こんにちは…」


「こんにちは、どうぞおかけください。」


緊張した様子で『依頼人』が言葉を吐く。探偵の方も声には出さないが緊張していた。


「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」


「こ、紅茶で…」


如月がそっと茶葉を取りに行く、それを確認した探偵はそっと話を切り出す。


「あなたはサイトに死にたい…と書き込んでいたのですが…もしよろしければ理由を伺ってもよろしいですか?」


いつもよりも少し回りくどい言い方は探偵なりに気を使った言い方なのだろうか。


「私はフリーターです。職を探しているんですけど…面接の時にすこしいろいろありまして、もう誰かを信じることができません。その結果がこれです、もう誰も信じられなくて。だから、自殺するしかないと思って…その時このサイトを見つけて…。」


「なるほど…では、変に遠回りな言い方をしてもよくないので、率直に言わせていただきます。」


その言葉は偶然にも如月が紅茶を出すタイミングとかぶった。


「私は、あなたの自殺をやめさせようとしてます。なぜ自殺したいのかはわかりません。なのでそれを知って解決していきたいのです。」


いつまであれば目的を語らないため如月は少し驚いた様子で探偵の方を向いた。そしてすぐに表情を戻すとその場を後にした。


「例えば、今私は正直に自分の思いを語りました。それも信じられないのですよね…?」

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