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冒険者の教育学校。  作者: アン
ー  第一章 偽りの世界  —
5/7

クエスト 進行度② 逃亡編。

結果から言えばイノシシはかかった。

「レンちゃん逃げるよ、急いで!!」

「分かってるわよ!!」

だが僕とレンちゃんは今現在クエストどころではなくグリーン森林を走り回っている。

そのデカい動物に殺されぬように・・・。


ことは五分前に遡る

上空を見ても今が夜か昼か分らぬほど青々と木々が茂っていた。

レンちゃんはちょっと飽きた様子で時折あっちを向くこともしばしば・・・。

長年一緒にいたからわかるのだがあくびや目をこする時、髪を直すときなど身だしなみや顔が崩れるような行動をとる時は無意識にそうなる。

幼少期のころまではそうでもなかったのだが初等部に上がるころからそうなった。

女子の前では平気なレンちゃんだが男子の前ではそうじゃなく、僕のような女顔でも一応異性として見てもらえているのだと思うとうれしいと言うのが正直な話だ。

まぁ、初等部・中等部で散々男おんなと周りにはからかわれ、高等部では女子として告られたのも記憶に新しい・・・

相手が男子の先輩だったので丁重にお断りした。

話してみると先輩はやはり僕のことを女子として告白したみたいだった。

無理もない自他ともに認める女顔そしてこの長い髪である。

そのことをレンちゃんに話すともっとちゃんとなさいって言われたっけ?。

なにをちゃんとすればいいかわからず質問しても答えは返ってこなくて、今なおその答えを模索中である。

試しに剣術の時間を増やしたりだとか、もっともっと知識をつけたりだとか、色々やった。

そして今回はその知識が役に立った。

食べられる作物の採取、動物を捕まえる罠の設置などがそれだ。

だけど、僕はまだこの時分かっていなかったんだ・・・ 外界という恐ろしさを


「デカい」

「ええ、そうね」

後方からイノシシの鳴き声、それとともに大地が揺れた。

それが走るたびグラグラ、グラグラと揺れる

僕とレンちゃんは慌てて隠れる

木々が密集しその音から少し遠ざかるようにして隠れた。

そしてやつは来た。

数字で表すのがバカバカしくなるほどデカさ

毛の一本一本がもはや刃物みたくなっており、ツノに至っては化け物といっても過言ではない。

落とし穴に前足の片方だけかかったのだが、この生物は僕たちが今まで見てきたどの生物にも当てはまることはなかった。

「う、浮いている!!」

「そんなはずないじゃない目の錯覚よ!?」

確かにレンちゃんのいうとおり今は昼か夜かも分からない茂みの中僕の目がおかしいのだと思いたい・・・思いたいのだが、目の前の光景をみて背筋がぞっとした。

「こっち来る!!」

イノシシは気づいたかのようにこちらへと突進してきた。木々を蹴散らしものすごいスピードだ。

「ウィンド!!」

レンちゃんが放つ全力全開の風魔法攻撃

一瞬の静寂そして上空には星々の輝きが見えその後木々が粉々になる。

そこまでしなくてもいいのに・・・と思った次の瞬間

「ぐぉおおおおおおおおおお」

今までとは明らかに違う鳴き声、威嚇しているような声で目の前にそれがいた。

「ま・・・まさか、私の魔法攻撃がきかないとでもいうの?」

正直僕もレンちゃんも驚きが隠せなかった。

なんせレンちゃんの風攻撃の威力はグリーン森林にあったものすべてを消し去ったのだから、その一匹以外を残して・・・。

「に・・・逃げるよ。レンちゃん」

「えぇ、そうね」

僕とレンちゃんは逃げることにした、息が上がり喉はカラカラそれでも逃げた。

逃げて・逃げてそれでも奴の体力のほうが上だった。

いくら走っても引き離せない。

そして僕は逃げるのは無理だと判断した。

「レンちゃん逃げて!」

「え!?」

レンちゃんが逃げるまで何とか時間を稼がないと。

「何言ってるのリンちゃんも逃げるのよ」

「いいから早く、僕の言う通りにして!!!」

イノシシとの距離もだいぶ縮まった

口論している場合ではない。

「否、イヤイヤイヤ」

「レン!!」

僕の怒鳴り声でレンちゃんは黙ってその場を走りだす。

そう、それでいい。

やっと僕は・・・

「ウィンド」

僕の魔法の力では精々微風を起こす程度。それでもないよりましなそれで僕の走りに勢いをつける。

そしてイノシシの鼻先めがけ振り下ろす

だがその剣はイノシシに触れるまでもなく何等によって遮られた。

「そうか、まさかとは思ったけど、やっぱりこのイノシシも魔法を・・・」

レンちゃんの魔法がきかなかったのはこれのせい

動物が魔法を使えるなんてやはり外界は恐ろしいところだなどと思いそして僕は最後の一撃をもらう寸前だった。

「ここまでか・・・」

「うぃんどぉぉぉぉおおお」

レンちゃんの声が近くで聞こえる気がした。

まさかね、もうここにいない人の声が聞こえるって、ああそうかここは天国なんだ。

そう思ったが不自然なことがあった

僕の顔をつたう暖かい雫、残った力で目を開けるとそこにはレンちゃんとその家族がそこにはおりぼくは布団の上で看病されている状態だった。


ん?一体どういうことなの?


どうやらユズハさんが渡してくれたお守りはレンちゃんが一定の魔力を放出すると強制的に街へと転移してくれるらしいレンちゃんと一緒にptを組んでいた僕も一緒に転送されたのだろう。

大粒を流すレンちゃんに大丈夫だよと言いたく体を起こそうとしたが

「グフォ」

平手で布団に叩きつけられた。

「どんだけ・・・どんだけ心配したと思ってるのよ、バカ」

心配してくれるのは嬉しいが、今ので手もいったな・・・。

戦闘で体を酷使した僕は骨が脆くなっていたらしく今のでさらに体調を全快にするのは時間かかるなと思った。








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