第6話:食堂
お腹が空かない世界なのにある食堂・・・。
「ここは・・・・教会か・・・。」
俺は目を覚ました場所は、教会であった。
俺は教会に行き当たるまでの記憶を遡って行く。
確か・・・武器屋を出て、数十m先で食堂を見つけ、
「お腹が空かないのになぜ食堂があるんだ・・・。」
興味本位で食堂の中に入り、1つのテーブルに男達三人が食事を楽しんでいた。
楽しんでいたというか騒いでいたというか・・・酒だな。
こんな世界にも酒があるのか・・・。酔ったりしたらすぐ殺されるだろうに・・・。
そんなことを思っていたら、その三人が半透明になっていることに気づく。
・・・・NPCか?と思いつつ、自分の両手を見てみる・・・。
すると、自分の両手も半透明になっていたというか、体全体が半透明になっている。
攻撃禁止区域ってやつかな・・。
こんな世界にも安息地帯があるんだなぁ~。
俺は、三人の男とは離れた丸テーブルの椅子に腰掛ける。
すると、NPCらしき店員が近づき、注文は?と聞いてくる。
俺はメニューは?と聞き返す。
NPCの店員は、壁を指差す。
そこには、居酒屋かよっと思わせる料理名が並んでいた。
ファンタジー系じゃないな。と苦笑し、鳥のから揚げとたこわさを頼む。
酒は?酒は未成年じゃないので飲みません。・・・ってか飲んだことありませんので。
10数分後、NPCが料理を運んできたので、俺はゆっくりと食す。
味は・・・まあまあだったかな。チェーン店ってこんな味みたいな味だった。
俺は席を立つと、遠くのテーブルの男三人も席を立つ。
「そうか・・。お前達のカモは食事に来た独り者か・・。」
三人に同時に襲われることは、まだ18年間生きてきたが、経験したことがない。
店を出る前に、戦略だけは考えておかないと・・・。
俺は、足を止めると、三人の男達も足を止める。
襲い掛かりたいだろうが、ここじゃあできないもんなぁ~、
俺は後ろを振り返り、三人の男達に笑ってみせる。
怒ってる怒ってる。酒も飲んでるから怒りまくってる。
「はやく出ろぉ~」までいってるよ。どこまで自己中だ、お前ら。
俺は店を出る前に、腰につけていた生身の剣を店の出口に投げ捨てる。
後ろの男達は、こいつ何してるんだと喚いてる。馬鹿だアホだとか言ってる。
馬鹿はお前達なのになぁ・・・。
俺は足早に店を出て、後ろを振り返る。
三人の男の一人が青竜刀を構え、走ってくる。
俺は出口付近に投げ捨てた剣の真下を男が走り去ろうとした時、剣をサイコキネシスで動かす。
剣は男の顎から突き刺さり、頭のてっぺんに剣の先が生えていた。
他の男達も俺を取り囲もうと走っていたが、一人の男の現状を見て、驚愕する。
俺は、足を止めた左側にいる男に空気の弾を飛ばし、吹っ飛ばす。
左側にいた男は、こちらに気づくこともなく、後ろに吹き飛ぶ。
味方が吹っ飛ばされたことに気づいた右側の男は、俺に斧を振りかざしてきた。
俺は2、3歩後ろに跳び、斧を回避しつつ、近くに落ちている青竜刀をサイコキネシスで操り、その男の後頭部に突き刺す。俺は、服のほこりを払いつつ、男達を見下ろす。
すると、左から火の玉が飛んできた。
俺は、その火の玉を回避するのは難しいと判断し、左手を犠牲にガードする。
「フハハハハ、ゆ、油断したなぁ・・・。あ、あんな一撃で俺がやられるかよ。」
そこには、空気の弾で飛ばした男が口から血を流しながら立っていた。
どうやら、現時点のレベルでは、空気の弾には殺傷能力はないらしい。
油断していたなぁっと思いつつ、焦げた左手を見る。痛みはそれなりにある。
「しねぇぇぇぇぇ!!ファイヤーランス!!」
男は止めとばかりに、火の槍を飛ばしてきた。
俺は、左ステップで火の槍を躱す。
俺が躱したことが気に入らなかったのか、男は再度ファイヤーランスを放ってきた。
俺は魔法剣を呼び出し、飛んでくるファイヤーランスを斬る。
「ま、魔法をきっただと!! そ、そんなことできるはずが・・・。」
「やってみせただろう。」
俺はそういうと、魔法を放った男に上段斬りをする。
「素人め!!そんな遅い剣などたやすく・・・ぐはああああああああああああ」
俺は男にわざと避けやすいように遅い上段斬りをしてから、早めの横切りを放ち、男の上半身を飛ばす。
男の上半身が飛んだとき、他の2人は光の粒子となって消えていた。
「三人が相手でも十分戦えるな。」
俺は焦げた左腕を抱えながら、食堂に戻っていく。
「くぅぅぅぅ、なかなか痛いなぁ・・・。これどうにかならないのか。」
ファンタジー世界なら回復アイテムくらいあっても不思議じゃないのだが、この世界で回復アイテムを使っている奴を見たことがない。まあ、見る前に俺がやられてるってのもあるかもしれないが・・・。
今はこの攻撃禁止区域で自然回復するか見てみるかっと思っていると、
半透明のNPCが近づいてくる。
「あ、コーヒーで。」
俺はメニューを見ずに、コーヒーを頼んだ。
NPCは俺がメニューにないものを頼んだらしく、動き出せず止まっている。
そのことに気づいた時、NPCが涙を流しているように見えた。
まあ実際は流していないのだが・・・。
仕方ないので、メニューを見てオレンジジュースとパンを頼んだ。
数分後、NPCは鼻歌まじりでオレンジジュースとパンを持ってきた。
俺は、そのNPCを見ながらパンを頬張る。
パンを頬張ると左手の痛みが和らいだ気がした。
するとNPCが、いやNPCらしき人が・・・。
「フフフ。驚いてますね~。食事は自然回復力をあげる薬みたいなものなんですよぉ。
・・・・そして、実は私プレイヤーなんですよ。」
「!?」
俺は驚いて、腰にある投げナイフの柄をにぎる。
「慌てなくても大丈夫ですよ。ここは戦闘禁止区域で攻撃できませんから。」
170cmある茶髪の女は、そういうと両手を挙げて、攻撃しないとアピールしている。
俺はまだ、投げナイフの柄をにぎっている。
「私は命からがらの戦闘が嫌になりまして、ここでNPCみたいなことをしてるんですよ。」
「は、はあ。」
「みんなNPCと思ってるみたいでそっけない態度をとるので・・・ちょっと意地悪したり、話しかけたりして、中々楽しく過ごせてますよ。
まあ食事を作ってるのはNPCで、NPCのリサちゃんが運ぼうとしているところを私が運んでるだけなんだけどね。」
そういうと、茶髪の女はNPCのウェイトレスを指差す。
そのまま左腕の傷が治るまで、茶髪の女・・・アズサというらしい。アズサと話し、アズサのいろんな冒険談を聞く。なんでもボーナスステージという町もあるとか・・・。なんじゃそりゃあ。
アズサは色んなライバル達と戦いながら自分を高めていたらしいのだが、なんでも、途中からなんでもありみたいな連中が増えてきて、戦闘に魅力がなくなったとか・・・。
俺は、ずっぅっとそんな連中と戦ってきてますが・・・。
数時間はここにいたのではないかと思える、
ついに左手が動くようになってきた・・・左手につけていた防具はなくなってしまったが。
俺は椅子を立ち、アズサに礼を述べ、店を立ち去ろうとする。
アズサは俺にバイバイといって、手を振ってくれている。
俺は店から一歩外に出た瞬間に、脳天を貫かれた感触があった。
・・・・す、スナイパーか・・・・。
スナイパーの出現率が高いと思いませんか?
・・・・そうなんです。
ですぎですw




