第16話:オルグとの決闘
「若造がああああああああああああああああ!」
オルグは左足で踏み込んだ瞬間、オルグの姿を一瞬見失う。
そして、左側から殺気を感じたので、前方に転がり回避する。
オルグは俺のいた位置を槍で突いていた。
早いが・・・シズカほどではないな。殺気も出しすぎじゃないか?
バレバレだ。
俺はオルグに視線を移し、右手のソウルイーターでオルグの左足を袈裟斬りする。
「くぅ、こしゃくな。」
オルグの左足から少量の血が噴出す。
浅いか・・・レベルに差があるのか・・・・厄介な。
ソウルイーターで斬った為、MPが少し回復したように思える。
俺はそのまま回転をし、左手の魔法剣で上段斬りをオルグに放つ。
オルグは、俺の剣を槍を横にし、両手で防ごうとする。
俺の魔法剣は、オルグの槍で止められてしまう。
「フハハハハハハハ、俺に力で勝てると思うなよ!」
オルグは槍を横にしたまま、前方に押し返そうと力を込めてくる。
今だ!!
俺は魔法剣の金属部を炎に変化させる。
「な!・・・槍を擦り抜けて・・・」
「法炎天下!!!!」
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
俺は、魔法剣を実体剣から魔法剣に変化させ、オルグの槍は魔法を防げなかった為、通過し、炎の剣は、オルグを焼いたのだ。
「そして、双炎乱舞!!!」
俺は右手のソウルイーターでオルグを斬り、MPを奪い、またそのMPを使って左手の魔法剣でオルグを斬りを5回繰り返したところで、オルグは後頭部を打ち付けるように倒れこむ。
そして、俺は後方に跳び、一旦距離を置く。
「ハアハア・・・俺の三ヶ月の成果だ・・・これを受けて今まで立ち上がった奴は・・・」
倒れているオルグの右手が動き、俺の方に手のひらを向けて・・・
やばい!!
俺は咄嗟に左側に飛ぶ。
だが、オルグからの攻撃は何もなく、俺は一瞬オルグから視線を外していた。
オルグに視線を戻した時には、倒れているはずのオルグはおらず・・・
「すまねええな!こっからは本気でいかせてもらう!!」
オルグは俺の首の後部を掴み、俺を持ち上げる。
なんて馬鹿力だぁぁぁ・・・・首がもげそうだ・・・・。
俺は、右手の手のひらをオルグの胴体に向け、空気の弾を放つ。
その衝撃で、オルグから解放された俺は、浮遊し、3mの位置で停止する。
「ちぃ、逃げられたかぁ。あのまま俺の馬鹿力と重力で圧殺してやったのにな。」
空中に逃げたはいいが、こっからの攻撃方法ではオルグにはダメージを与えれないだろう・・・。
俺はそう思うと、オルグ目掛けて降下する。勢いを十分につけると、
「さああ、串刺しになりなぁああああ!若造!!!」
オルグは、槍投げの要領で全力で槍を投下する。
俺は、槍を投げていることが推測できていた為、空気の壁を作り、足場にし、降下軌道を少し変えていく。
そして、槍は空を切り、俺は、再度オルグ目掛けて突攻し、
二つの剣を前に出し、勢い良く、オルグの体に突き刺さる。
一つの剣、魔法剣は炎の剣となっており、オルグに刺さると刺さった部分から炎で焼き尽くし、またもう一方の剣、ソウルイーターでMPを奪っていき、俺に還元する。さらに衝撃が加わり、オルグは地面にそのまま突き刺さる。
「法炎天上天下!!!」
俺は自分のMPと奪うMPの全てをこの一撃に込める。
10分間オルグを焼き尽くし、俺はMPが空になる。
「ハアハア、消しずみになりな。」
オルグは黒こげとなっており、声を発することなく、光の粒子となった。
「凄いじゃない~、あのオルグに勝つなんて!」
シズカはそういうと、へばってる俺の左腕にしがみ付く。
レベル・・・・あがったみたいだ。
それも3も・・・・どんだけレベル離れていたんだ・・・。