転落
なんとなく書いてみた。
不定期更新です。
とある神社
「神様~働きたくないでござる。五円貢ぐから宝くじ当ててくれー。」
二流の工業高校から三流大学に進んだが、見事に今年就職浪人が決まった彼、榊始は近所の神社に神頼みに来ていた。
「社会人(?)になったから酒も煙草も宝くじもオッケーだからね!!」
多分彼は競馬かなにかと勘違いしているのだろう。
「一等でなくても前後賞で良いからよろしくね。」
身の程を知らない願い事に神様からキャンセルをくらったのであろうか。
「あ!五円玉みっけた……って、わ!わ!!わ!!!」
五円玉を拾おうとして、石に蹴躓いて転び、そのまま勢いよく石段の方に。
「ウワーーーー!!?」
石段を勢いよく転げ落ちていく。
そして、なぜかぽっかりと空いていた黒い穴に落ちてしまう。
「アレーーーー!!」
◆◆◆
黒い穴から転げ出てくる榊
「痛てて、あー擦りむいちゃったよ、まあ五円玉拾ったから良いか。」
いいのか?
「神社の階段を転げ落ちたんだよな……って。」
「あれれ、ここは何処でしょうか?」
何も無い平原が地平線まで続いていた。
そして、彼は遭難した。
「もしかして俺そうなんしてるんですか?」
そうなんです。
◆◆◆
遭難三日目
「腹がへったよー、疲れたもう歩けない。」
地面に大の字に倒れる榊。
「もう眠いんだよ、パトラッシュ。」
くっ、まだまだ余裕のようです。
「どの位歩いたかわからないけど、全然景色が変わらないよ!」
「おーい!!誰か助けてー!!」
「ハイ!お呼びでしょうか(^∇^)」
ガバっと起きてあたりを見回す榊。
「だ、誰だ!?」
「ハイ?呼びましたよね?(゜◇゜)」
「どこ!どこにいるの?」
「こちらですよ(´・ω・`)」
横を向くと……目玉?が浮いていた……
「ジャンル変わってんじゃん。」
◆◆◆
「目玉ですか、どちらの妖怪さんで?」
「妖怪?言語バンクにその様な言葉は登録してありませんが?」
「失礼してスキャンさせていたたきますね、(ΦωΦ)」
目玉?から怪しげな光線が……
「怪光線がー!……あれ?なんともない。」
「えー遺伝子パターン、脳波パターン、不適、データにありません。(´・ω・`)」
「データに無いといかんのかな?」
「そうですね?貴方は私に対する正統な命令権を持っていない事になります。( ̄。 ̄;)」
「どういう事?」
「私を作った生命体と異なる系列の生命体だと言う事ですね。(´・ω・`)」
「うーん、じゃあその人?達はどこにいるのかな、できれば助けて欲しいんだけど。」
「残念ですがこの次元には存在しません。(´・ω・`)」
「?……どういう事?」
「ここは、閉じられた世界であり、いわゆるゴミ捨て場です。(´・ω・`)」
「ゴミ捨て場?ここが?」
「そうです、ここは何処の世界とも繋がっていない時空間なのです。(´・ω・`)」
「なんで、俺はここにいるの?」
「恐らく、時空間に開いた次元の穴に落ちたのでは、三日程前に極小の時空震を観測しましたから。(ΦωΦ)」
「帰れるの、俺?」
「帰る方法はあります。(´ー`)」
「え?本当帰りたい、腹ペコなんだよ。」
「私は現在廃棄物として処分されていますが(。>ω<。)私のマスター登録をすると凍結状態されている次元航行機能が解放されます(ΦωΦ)」
「次元航行?それを使うと帰れるのかい?」
「ハイ!機能が回復すれば、トレースして元の世界へアクセスできます。(^∇^)」
「……なんで廃棄されてたのかな。」
「ドキ!ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ」
「いえ、型遅れになったとか、新型の性能が圧倒的だったとかそんな理由ではありませんよヾ(・ω・`;)ノぁゎゎ」
「圧倒的だったんだ。」
「な、何故それを(゜Д゜;)」
「うーん、機能不全とか故障したわけでは無いのね。」
「もちろん、メンテナンスフリーの自己修復機能付ですよ。(^∇^)」
「なんかSFで最も怖いパターンがきましたな、本当に壊れてないのね。」
「もちろん私は正常です、故障などしていません(`Д´)」
……廃棄物に“私は正常です。”とかいわれてもなー
「ジー(ΦωΦ)」
「あっお前心を読んでるだろ。」
「なんのことですかな。(゜o゜;)」
「ここから脱出する手段がそれしかないなら仕方ないか。」
「では早速マスター登録をε=ε=(ノ≧∇≦)ノ」
「なんか悪魔との契約みたいだな、で?如何するの。」
「私は、次元環境整備システム(恒星間クラス)のーーーです、マスターとして名前を付けて貰えれば登録終了です。(^∇^)」
「……犬に名前を付けたら捨てられない理屈と同じ臭いがするシステムだな。」
「ハイ書き換え不可能となっております。(^∇^)」
「お前絶対、不良品だろ。」
「そんなことはありません!♪(´ε` )、で登録するんですか?しないんですか(ΦωΦ)」
「足下を見てきたね、契約しないと帰れないとかなんという悪徳商法、でも契約しちゃう。」
「お前の名前は………」
「ゴクッ(°°;)」
「ポチで。」
「何でやねん(゜◇゜)ガーン」
「お前俺の世界の事知らないんじゃなかったの。」
「トレースしたときに、毛むくじゃらの下等生物だと理解してます。(`Д´)」
「俺は?」
「原始人?(^^)」
「最低だなこのポンコツ、名前はポチ、愛称はポンコツで決まりね。」
「ガーン!(||゜Д゜)」