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第八章「狙われてる・・・やっぱり?」-2

「ただいま~」

 リビングのドアを開けると

「ユウ~。お帰り~」

「おじゃま・・・してます」

 クロノと福田さんが対面で座って何かやっている。

 クロノは一瞬顔を僕に向けたが、また真剣な目でテーブルに向かっている。

「何やっているの?」

「ん?勉強だよ!福田さんにおしえてもらっているの!」

「そ、そうなんです・・・。この前、クロノちゃんに頼まれて・・・で黙っていて申し訳ないんですけど来ちゃいました」

 言い訳するように、恥ずかしそうにみすずはクロノの方に向き直る。

「そっか、じゃあ、二人とも頑張ってね」

「えっ?優雅君はやらないんですか?」

「なんで?」

「なんでって―――」

「ユウもやろうよ~。楽しいよ。勉強!」

 鼻息の荒いクロノからも誘いを受ける。

 でもなぁ・・・

「じゃあ、ユウは部屋で待ってて!」

「へっ?」

「勉強教えてもらう代わりにね、福田さんにユウの部屋見せてあげるから。ひと段落したら行くね」

「はっ?」

「邪魔にならないように静かにしていますので、どうぞお構いなく」

「いやいやいや・・・関係ないでしょ」

「でも、福田さんそれでオッケーって言ってたから」

「僕の拒否権は?」

「ん?キョヒケン?何それ。クロノわからない・・・」

 都合の悪い時はとぼけるのな。この使い魔は。

「じゃあ。終わったらお菓子もってきてね。それまでに掃除しておくから」

「ほんとにいいのですか?」

「お世話になっているし・・・片づけておくから」

 この前の顔ばれの件もあるし・・・。

「やったぁ!」

 福田さんは喜びの声と共に飛び上がらんばかりの嬉しさの表情を見せている。

 とりあえず怪しいものを何とかしないとな。勝から無理やり持たされた例のブツとか・・・。

 急いで部屋へ入りこぶしを握り心に決める。

よし、掃除しよう!

 だが、部屋へ入りドアを閉めた途端また開かれた。

「ユウ~、入るよ~」

 とクロノがノックなしにいきなりドアを開けてきた。

「お、おじゃまします・・・」

 クロノの後ろから覗き込むように福田さんがひょっこり顔を出す。

 はやっ!リビングの勉強はどうなっているんだよ。

 あまりの段取りの良さに驚きおののく僕がいる。

 何の謀略だ?最初からそうするというシナリオがあったみたいだ。

「あのさ・・・早すぎない?」

「ん?ひと段落ついたから~。良いかなって。ダメ?」

 確信犯的な行動がさっきから目立つクロノ。

 上目遣いにこっちを覗き込みやがって・・・。

「優雅君、ダメだった?」

 福田さんまで、恥ずかしそうにしながらも同じように上目遣いで僕を伺ってくる。

「もぉ・・・ひと段落ってホントについたの?」

「うん!」

「はい!」

 二人とも声をそろえて答えちゃって。なんなんだろうなぁ。

「わかったよ。どうぞ。狭くて汚いところかもしれないですけど・・・」

「優雅君、良いの?」

「良いも何も・・・仕方ないでしょ」

「やった!」

「ほらね!クロノの言ったとおりでしょ!ユウはみすずのお願いを断れないって」

 くそぉ・・・。お前の正体もばらしてあげようかと思ってしまう。

「ユウの部屋でお菓子食べよぉ~」

「よぉ~」

 なんだかんだで二人の息はぴったりだな。

 クロノは僕の部屋の勝手を知っているので、ベッドのそばに立てかけてあるちゃぶ台を広げ、持っているポテチの袋を思いっきり開ける。あまりに勢いが良すぎたため、ポテチが床に飛び散った。

「なにやってんの・・・」

 床に落ちたポテチを拾いながら、ため息をつく。

「ごめんね。ユウ」

クロノは「ごめん」と言いながらも謝る気のない口調。これも確信犯ではないかと疑ってしまう。福田さんも盛大に散らばっているポテチを拾いつつ、ベッドの下を伺う気配を見せる。

そんなところにありませんよと言いたくなるがやめておこう。蛇の道はなんとやらっていうやつだ。

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