第七章「ばれちゃいました」-1
「霊装装着っと」
変身する僕をじーっと観察している伊莉栖。
その視線に思わす縮こまってしまる。
「・・・他人の変身を見るのは新鮮ですわね」
どこか納得した表情でコメントを下さるのが何ともシュール・・・。
「恥ずかしいから、あんまり見ないで・・・。と、とりあえず、今日はありがとう!これからもよろしくね」
僕は箒に跨り、伊莉栖にお礼を言う。
「借りを返しただけですから・・・もやしには負けませんわよ」
「勝負じゃないから。お互い仲良くやろうよ・・・」
「・・・考えておきますわ」
伊莉栖はぷいっとそっぽ向く。
軟化したことは確かなんだろうなぁ。
「お嬢様は、正直になれないだけですよ。優雅様」
「ソ、ソワール!」
「じゃあクロノ、しっかり捕まって。行くよ」
「うん・・・もちょっと食べたかった」
箒の先でカラスに変わったクロノがぼそっと一言、未練たらたらに不平を漏らしている。
この使い魔は・・・。口から出そうな言葉を抑え込んで、僕は意識を箒へ集中させ地面を蹴りあげる。
地上で見ている二人(人間と使い魔)がどんどん小さくなっていく。
今度、お返しをしなくちゃな・・・。
結局仲良くなれたのかな・・・。
「でもユウ・・・なんで帰るだけなのに変身しなきゃいけなかったの?」
小首を傾げながら疑問をストレートにぶつけてくる。
「嫌な気配を感じたから、その確認をしようかなって」
「そっか・・・。草薙さんにはわからなかったんだね。それが」
「クロノもまだ気づいていないのか?」
「うん。食べるのに一生懸命だったから!」
そんな元気いっぱいに答えなくてもいいじゃない、クロノぉ・・・。
さて、感じた気配は、神社方面。福田さんの体質もあって、正直ちょっと心配になったというのが本音なんだが。
背後の草薙邸がどんどん小さくなっていく、それと共にだんだんとその「良くない」気配が確信へ変わっていく。
絶対いる。それも、神社だ。
「クロノ、スピード上げるから!」
「あい!」
僕は箒に念を送り、速度を上げて気配のする方向へ向かった。




