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番外編1:クリスマスクルシミマス

どもども。クリスマスですね。妬ましいです。今回の話はライの前世のお話です。正月にも書くかもしれませんね。

俺は馬車に乗せてもらい、そのあと昼寝をしようと思ったんだが、ここの暦は地球と同じで今日は12月24日である事に気がつき、消えかかっていた一つの思い出を思い出した。この世界、四季とかバラバラなんだけどさ。


だからどうしたってな。関係はない。覚えてはいるが、明確ではないし、どうでもいいことだ。


「風邪ひくなよ?この馬車は風通しがいいんだ」


「慣れているので。問題はありませんよ」


そしてゆっくりと目を閉じる。できれば、夢で明確に思い出せると退屈しないんだがね。






今日はクリスマスイブ。キリストの何かを祝う日である。だが、世間はイチャコラするカップルで溢れて、祝いと言うよりもただクリスマスと言う免罪符で遊んでいる人ばかりだろう。


「あんたも同じようなものじゃないさ、裕二」


「お前は彼女でもなければ、クラスメイトでも、なんでもないじゃないか。優子」


「幼馴染だよ!あんたはどうしてそう……意地悪をしたがるのか……」


「知らん。俺に意地悪をしたい思いはないぞ」


そこのバカは置いといてだ。俺は今、東北で一番?都会と言われている仙台まで来ている。何故か、それは簡単なことだ。


「せっかくあんたがクリスマスに誘ってくれたのに、酷い扱いしか受けてない気がするんだって。どこに行くつもりなのかしら?」


「は?いや、うん。好きなところ行ってていいぞ。俺はやることがあるからな」


簡単に説明しよう。俺は非リアであり、厨二……なりかけである。世間のカップルを見ていると何かこう……イライラするので、とある作戦を思いついた。それは!


「ん?誘っておいてそれはないでしょう?ねぇ?いつもいつもそうやって分かってやってんのか知らないけど人の気持ちを遊び倒してさ!」


それはの前に少し待って欲しい!胸ぐらを掴まれてそれどころではないのだよ!く、首が……締まる!


「ま、まぁ落ち着け、胸ぐらを掴まれては話もできない!」


「……チッ」


「酷い目にあった……俺はマジでやらなきゃいけないことがあるんですの!」


「気持ち悪い」


「サーセン。俺はだな、あそこでいちゃついている奴らの邪魔をすると言う素晴らしい作戦がだな、あるんだその名も、」


「はいはい、人に迷惑かけるなって言われてるでしょ。そんな馬鹿な事してないで行きましょうか」


作戦名はクリスマスクルシミマス作戦!ってぇ引っ張らないで、せっかくフード付きの来てきたんだからってそこを無駄に有効活用しないで……


「ど、どこに行くというのかね!」


「ロフトとかイービーンズとかかしらね」


リア充の巣窟。前に同じクラスのヲタ友達が言ってた!イービーンズは本屋がまだ救いだとも……ロフトはマジで滅びる。心が。


「嫌でござる……あ!」


近くを見渡すがどこにもこいつを説得出来そうな材料がない!ああぁ、連れて行かれる……


「そんなに嫌がることなの?」


「モチのロン。普通に無理。あんなオシャレな店、俺は入っただけで気が狂うね」


「……行ってみよう。面白そうだし」


救いはないんですか!アッー!



時間は2時間。体感時間は丸2日。精神はガスガス削り取られ、頭がおかしくなりそうだった……


「ご、ごめん。まさかそこまでとは思ってなくて……」


ロフトやイービーンズを徘徊し、俺はもう既に白くなっていることだろう。燃え尽きたよ……あんなところに行けるかクソッタレ。


「もう嫌、帰ろうぜ……俺のライフはゼロよ……」


「最後、最後でいいから!ほら、お腹減ったでしょ?何か食べに行こうよ」


もう、どうにでもしてくれ……


「ほら、立ってよ」


「うーあー…」






そんで連れて行かれたのはやっぱりオシャレなお店。だが男がほぼゼロで、女性が大半を占めていた。店のなかには甘い香りが漂う。察するに、ここはケーキバイキング?


「ここ前から来てみたかったのよ!」


「ソーカイ」


優子はちゃっちゃと手続きを済ませてしまい、俺の手を握ると、近くの席に座った。俺も同じように向いに座る。


「食べ放題!会計は……ねぇ、お金持ってる?」


ある程度邪魔したらメイトやらに行くつもりだったから……


「5千円位しかないぞ。あとは電車賃だ」


「お金、出してもらえる?さっきの買い物でなくなっちゃったんだ……」


先ほどの買い物ではあまり物を買ってなかったハズ。なら払えるんじゃ?あと、こいつの表情もさっきとは打って変わって暗い。あとで色々聞き出さなくてはいけないな。


「……しゃーねーなー。金が出世払いで頼むぞ」


「ふふっ、ありがと。よし!食べよう!取ってくるね!」


そう言って優子は明るい表情になり、ケーキを取りに行った。金、足りるかな。バイキングだし、問題はないだろうけど。


「持ってきたよ!はい、あんたの分」


「サンクス。俺の好みを分かっているじゃないか」


持ってきたのはチョコレートケーキとチーズケーキ。どちらもかなり美味しそう。


「いただきま」


「あ、優子じゃん!おひさ〜。ねぇ、お金溜まった?また貸して欲しいんだけどさぁ?」


誰だ俺の楽しみをぶち壊す奴は……ふと顔を上げると、明らかに日焼けマシーンで黒くしたようなギャル。汚い。何が?心と顔。この年でこんな事して……将来が心配だよ。


「あ、えっと、その……」


「ギャハハ!そうだよね!あるわけないよね!昨日もらったんだしさ!」


1人で助かったと言うべきかな。取りあえず、邪魔なんで帰ってもらおうか。


「なぁに〜?そこにいる気持ち悪いのってあなたの彼氏〜?キモ〜ギャハハ!」


流石にプチっときたぞこの糞ギャルが!お前が気持ち悪いんだよ!鏡見ろや!


「うるさいんで帰ってもらえます?あとギャハハ、って笑い方気持ち悪いんで、黙ってください。唾が飛びます」


「はぁ?ウチ汚くないし!そう言う言いがかり、やめてもらえます〜?ギャハハ!」


あ〜切れそ。やっばい位イライラする。


「どのツラ下げて言ってんだ!?あぁ?顔面凶器が!自分で気持ち悪いと言って人を貶すのは楽しいか?ああ?それが楽しいならお前はクズだぞ?」


「裕二、もう、いいから……ね?」


ギャルはウザったそうにこちらを睨み、黙り込んでいる。気に食わない。


「俺は、出て行けと言ってんだ。邪魔。いらない子。目の前に現れないで。あとこいつに貰った金返せよ。困ってんだろうが。嫉妬かい?スイーツ(笑)」


ああ、やっぱり切れるとネット用語がかなり溢れ出てくる……取りあえず、一息で言えることは言った。あとは出て行くかどうか。


「はぁ?マジウゼーんですけど!スイーツ(笑)ってなんですか〜?馬鹿じゃないの〜?死ねよ!」


はいはいきたきた言えなくなったら死ねの法則!てかこいつ語尾にwwwがついてないか?


「言葉が尽きたら馬鹿、死ね、殺すぞしか言えないほうがおバカさんだと思いますよ〜?スイーツ(笑)位自分で調べられるだろ?頭大丈夫でちゅか〜?」


俺の語尾にもwwwって付きそうだな。てかだんだんこいつが追い詰められていくのが分かって楽しいな。回りにも話は聞こえていたろうし、我関せずと言った感じだろう。


「っ〜〜〜!今度遼太郎に頼んで二度と口聞けないようにしてやるんだから!」


「やってみろ?場所は?そこに警察読んでやるよ!さぁ、教えな?」


睨みつけてその場を立ち去るギャル。ざまぁみろってな。


「さて、食べようか」


「ありがとう……」


「せっかくのバイキングだ、気持ちよく食事したい。……もし、何かあいつから受けたら言ってくれるか?」


「うん。わかった。ありがとう……ありがとう!」


「気にすんな、俺が気分よく生きるためにすることさ」


「素直じゃ、ないね。ふふっ」





……目覚めがいいな。あの時のギャルは本当にウザかった。


「お、起きたか、え〜と……」


「ライ、ですよ。自己紹介をしていなかったですもんね」


「そうだな。俺はランバード。そろそろ飯だ。手伝ってくれ」


「何を作るんですか?」


あの夢の続きは……まぁ、また夢を見たときでいいだろう。


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