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洞窟探検その2(終)

これ以上長引かせるのはまずい……

 ガァルガァァァ


さて、急いで出てきたが、予想以上に怖いな。死と隣合わせだ。せっかくいい感じに慣れてきたのだから、このまま続けさせてくれよ!


「これでもくらえ!」


まず、そこらにあった石を投げてみる。だが、すぐに打ち落とされ、俺の敗北が決まったかのような顔で俺を見つめてきた。せめて魔法が使えればもう少し時間を稼げたんだが…


考え事をしていたその一瞬に害獣は距離を詰めていて、


「うわっと!」


頭を噛み砕こうとしていたが、何とかしゃがんで回避できた。そのあと後ろに下がり、様子を伺う。


 ウルグゥッゥ!


飛びついて来たが、それを横に転がって回避した。害獣は飛びつきで前足でも痛めたのか、なかなか攻撃してこない。勝目がないんだ、なにか……


 ガァッァアァァ!!


「ああもう、しつこいっての!」


気づくとすぐ近くにそいつは迫っていて、今度は爪で殴りかかってきた。その場から飛び退いたが、少し切ってしまったようだ。じわじわと痛みが襲ってくる。……たく、さっきのは撤回だ!ただ機会を待っていただけじゃあないか!実戦不足ってのがひしひしと伝わってくるな!


「そうだ、封印をしている媒体は……あれか?」


神殿に向かって全速力で走る。あっちは全力出せるのにこっちは出せないとか、理不尽で不快感を覚える。


さっきから見えていた箱。大きさは子供もすっぽり入れるくらい大きかった。媒体は恐らく箱ではなくてこの中身だろう。チラリと害獣を見たが、神殿の周りをウロつくだけで

攻撃はしてこなかった。今のうちに開けてしまおう。


「オープン。……衣類か?媒体ではない?」


その衣類を手にとってみる。黒い服だが、ところどころに光を反射するラインが入っている。魔法を使おうとしたらそれが光ったので、恐らく封印媒体だろう。


「う、うわぁぁ!助けて!!」


悲鳴がした方向に目を向けると必死に逃げているレインとそれを玩具のように追う害獣。急がなければならないが…ん?


「なにか……」


ラインに触れると、封印が解け、重圧のようなものが消えた。その代わり、服の表面になにか、コーティングされたように感じた。何かに補助される感覚も覚えた。


「いいこと思いついた。雷も使えるんじゃないか?」


「そんな事言ってないで何とかしてください!」


レインは自身が得意だといっていた火で害獣を威嚇しながら交代していた。長くは持たないだろう状況なので、俺は上半身の服を脱ぎ捨て、手にしていた服を素早く着て魔法を唱えた。


「貫け!ボルトガン!」


害獣の胸のあたりから尻尾まで雷が走り抜け、害獣は倒れた。即死攻撃のハズだったが、まだ信頼できない。雷を使う人間なんて居ないのだから。


「多分死んでますよ……そうでなくても脱出しましょう。チビりそうです……」


「実はもう俺盛大にチビってるんだ」


「ええっ!?」


「嘘だ、嘘。そんな離れるなよ……傷つく」


締まらないなぁ……まぁ、シリアスな展開は嫌いなんでいいけどさ。











人と言うものはいつもどこかで間違い、どこかでそれを繕う。大きく言うと戦争。小さく言うと言葉。戦争では己の主張を突き通そうと考えた人がその主張に纏いつく間違いに気づかず、終わって勝者になってそれを繕う。言葉は個人的なものから世界規模まであるが、大きくならなければ忘れさられるような出来事だ。


……つまり何が言いたいかって?簡単だ。封印媒体は予想以上に高性能な宝具だったからだ。封印媒体だ(キリッなんて言ってた俺をボルトガンで打ち抜きたい。


「また現実逃避?話を聞きなさい!」


今現在、レティアさんの説教を聞いている最中である。無論、聞いてなどいない。てか、3回くらい同じ話を聞いているので内容は把握している。置いておいても特に問題はない。それよりも宝具についてだ。俺があの神殿で見つけた宝具は雷の魔法を補助させる役割を持っているらしい。ピンポイントだと思ったが、この世界に来る前に言われた《ひねくれ者へのプレゼント》ってこのことなのでは?と仮説をたてた。でなければこんな近くにそんなものあるわけがないし、あったとしてももう既に取られていただろう。もしかして雷使わなくて、何だただの服か。となったのか?雷なんて使ったら感電死が待ち受けているようなものだし、ありえる。


「……弟子に躾を、ファイア!」


「アツゥイ!!いや、マジ死んでしま、アッツイ!熱い!すいませんすいませんまじ死にます!」


「消火」


「火傷した……話3回もループしたらそら飽きますって!」


被害、ふくらはぎと手のひら。どう見ても拷問です。いいじゃないか宝具くらい……百個ぐらいあるんだろ?


「しばらく実戦での魔法、禁止ね?」


「え……俺これから一体何をすれば……」


「狩りもだから。」


「ノゾミガタタレター……」


「しばらく魔力を集中させることしかさせないわ。私が良いって言うまでは、町の外に出てはいけません!」


「もう駄目だ……おしまいだぁ……」


「馬鹿言ってないでさっさと始める!」


レティアさんはとても優しくてとても厳しい女性です。ただ、その獲物を捕まえた!みたいな視線だけはやめて欲しいなぁって、思うんです。

主人公は軽く思考癖がある変態さんです。たまに言葉遣いが変わる?これは作者が同じような言動をしているからです。仕方ないね。

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