洞窟体験その1
短いのは使用?その2は長くなるんじゃないかな?
そんなこんなで大体9ケ月。水の魔法についてはある程度できるようになってきた。それに雷ができるようになったが……あれはイロモノだ。まず静電気レベルでやれと言われてやってみたが、自分にも被害はあるし、使い道がない。パソコンでもあれば違ったのだけど。
「雷はなぜ魔法として使えるのか。てかレティアさんもあまり教えてくれないし、下手したら死ぬんだよな……」
水に関しては半人前といったところか。空中に作り出したりできるようになったけど、外の害獣どもにはまだ聞かなさそうだし。害獣は……モンスターと言えばわかりやすい。
冒険者ギルドでは依頼が害獣駆除だったり、行く先で害獣にあう事もあるため、ランク分けをされている。詳しくは冒険者になったりしないと教えてくれない。
「ライ、一緒にあそびませんか?」
その声に反応し、声のした方向を向くと同年齢の男の子。名前はレインで同じく平民。敬語なのはもともとだし、直させたいワケでもないので放置。遊ぶ前に訓練をしなければ。
「一人で頼むよ。俺はあとから行くから」
「え〜……せっかく洞窟を見つけたから一緒に行こうと思ったのに…」
「じゃあ行く。さ、道はどっちだ?」
俺は何よりも己の好奇心に従うのさ。
町の近くにある森を少し深くいったところ。そこに洞窟はあった。明らかに何かで隠されていた痕跡があり、レインが掘り返したのだろうと推測できる。
「ここですよ。少し深そうなので慎重に行きましょう」
「ワクワクするなぁ……」
しばらく暗い道が続く。松明を持った俺が先頭で、レインが後ろ。なぜだろうか。
「き、来たの、まちがいですぅ……」
このようにガクガクしている。自分で言ったくせに怖がるなんてそれでいいのか?
「ん?松明が消えそうだ。火をくれ。」
「あ、うん。待ってくださいね…火を灯せ、ファイア!」
小さくなりかけていた火にファイアをぶつけるが……効果がない?
「あ、あれ?な、な、な、なんでですか!?」
「落ち着け。魔法を一時的に封印される空間らしい。あいにくここからは少し明るい空間に…明るい?」
どこかに封印をする媒体があるってことだろうか。レティアさんはそれを壊して出てきたそうだけど、その時は光がなくって苦労したって言ってたし……
「あっちからだと思います。取りあえず行きましょう」
レインは感がいい。いってみようじゃないか……
その空間はとても神秘的であった。明らかに人の手を使わなければ作れない彫刻。神殿を思わせるような造り。その奥にある箱。そしてその中に存在が違う
害獣がいた。
幸い寝ている。このままゆっくり抜け出せば襲われる心配はない。
「ひっ……ど、ど、どうします!?」
「ば、バカ野郎!…!!」
グガァと大きなあくびをして起き上がった。オオカミのような容姿に角を生やした体長2mの害獣だった。最優先なのはレイン及び自分の安全確保。そのために
まずレインを引きずり、洞窟内のくぼみに押し込んだ。場所は近いが、これ以上動くと害獣に狙われてしまう。
「いいか?ここにいろ。隙を見て戻るんだ。隙ができなかったら俺が作る。わかったか?」
小さな声で脅迫するように言う。レインは腰が抜けているし、やっぱり隙は俺が作らなければ……魔法使えないんだった。どうしよ。
グァルルァァ……
鼻もいいみたいだな……こっちに気づきやがったか。まず水魔法で俺達に水をかける。無理やり逃げる時に匂いで追われないようにするためだ。
「時間はあまりないぞ!急げよ!」
俺はその場から害獣に向かって走り出した。
服についてはその2から説明。