暇つぶしの玩具たち
「ヒマ」
綺麗な金髪と、綺麗なアクアブルーの瞳を持つ少女がつぶやきました。
少女はよく見れば羽根が生えていました。
限りなく白に近いピンク色のひらひらした服が、とてもとても可愛らしいです。
「もーやだ!なんでこうヒマなの!?」
むっすーとして少女は文句を言いました。
「我慢してください。
お父上がお亡くなりになった今、これをできるのはあなただけで…」
「じいやはだまってるの!」
じいやとよばれた老人に八つ当たりして少女は我がまま放題。
まわりの人たちは本当に困っていました。
「あなたしかいないのです」
「はい、あなたしか」
「あなたしかいないのですよ」
同じことを何度も何度も何度も何度もいわれて少女のストレスメーターはマックスに近づいていきます。
「い・や・だ!
なんで私なの!?
ゼル兄ちゃんでも、グラ兄ちゃんでもいいでしょ?」
「お二人ともは他の仕事が…」
「じゃ、そっちやる」
「だめです!」
「なんでー!?」
毎日毎日同じことのくり返しです。
「しっかり人間を見ておあげなさい」
じいやが困った顔をして言いました。
「人間?
そんなのほっとこーよ。
どーせいなくなってもいい種族ださしさ」
「たしかに、人間ほどきたねえ種族はいねえな」
そう言いながら現れたのは、先ほど名前の出たゼル兄ちゃんです。
ゼル兄ちゃんは少女と同じ金髪でしたが、瞳の色はエメラルドグリーンでした。
そしてゼル兄ちゃんの後ろには、銀髪のお兄ちゃんがいました。
その人が、グラ兄ちゃんです。
グラ兄ちゃんの瞳は、少女と同じアクアブルーでした。
「たしかに人間は汚くて冷たいよ。
でも、だからこそ、ときに綺麗なんじゃないかな」
グラ兄ちゃんはやさしく言いました。
「死の神がよく言うよ。グラ」
「兄さんこそ、生の神がそんなことを言っても?」
「兄ちゃんたち!私ヒマ!」
少女が口をはさみました。
「人間はなーんの変化も無い!
面白くないよ。
私が見てる意味ないよ」
「まいったな…玩具がないから駄々をこねはじめた…」
「面白くないのなら、面白くしろ」
「そんなこと言ったって…」
二人の兄ちゃんにそういわれて、少女は頬を膨らましました。
そしてふっと人間界を見ました。
そこに、小さな小さな男の子と女の子がいました。
森の中に、いました。
「…あの子達は?」
「捨てられたんだね。親に。
もうすぐ死ぬよ」
グラ兄ちゃんが言いました。
「…決めた!
あの子達、仲間にする!」
「は?」「え?」
兄ちゃんたちが同時に聞き返しました。
「あの子達に、私達と同じような力をあげる。
そのあと、あの子たちがどうするかを見てる。
変化の無い世界を見てるより、ずっといいよ」
「名前が無いよ。あの子達。どうする?」
「じゃあ、今つけるよ」
少女が言いました。
「神様、あまり勝手なことは…」
じいやがそう言って止めようとするのも聞かずに、少女は言いました。
「あの子達の名前は…――」
「”ヒノ”だよ」
知っている方、いらっしゃいますでしょうか。
”あの作品”の番外編です。
本館に置くのは気が引けたので、ここに載せました。
知っている方、いらっしゃいますでしょうか。




