揚げてくエビフライ
小さな時の夢をよくみる。
母親がエビフライをあげてくれてそれを食べる夢だ。
パチパチと線香花火のようにエビフライが揚がる、その音が小さい頃は心地よかった。
母親が
「はい、できたよ」
と言い、わくわくしてフォークをエビフライに刺し食べた。
僕は夢中で食べ、それを母親がにこにこと見守る平凡な日常だ、ただ一点を除けば。
普通、揚げ物には工程が多いから手順がかかる。そのため、晩御飯に最適だ。だがしかし、小さな頃は昼にエビフライがでていた。エビフライだけじゃない、ちゃんとほかほかの白米、暖かなたまごスープ。
小さい頃はこれが毎日あった。
ただ繰り返す、普遍の日常、なにもない普通の日常。
光が布を貫通する、光線のようにただ突き刺す。
その光線を受け、目が覚める。
体を起こし、右足をスリッパに変え歩き出す。エビフライ型の歯ブラシを手に持ち、ソースのように歯磨き粉をつけて、きれいにする。
ある程度終わったら流して、また部屋に戻る。
部屋につき深くおもいはじめた、夢をみる時きまって母親の他にもう1人いる。誰かわからない、名前も顔も髪もなにもかもわからない。
ただ、いる。
これだけがわかる。そして、母親。
母親の服が毎回違う、和洋中それぞれ多種多様な服装になっている。
ただ、普通の夢だと思った。
最初は・・・
もうかれこれ、3年間ずっとこの夢をみている。
疑問に思い、寺にも行ったが原因だけわからなかった。
心霊の類であると言われ、呪いなどの説もあると言われた。
僕は、
(エビフライの夢が呪いってイカれてるだろ、エビフライ好きにはただの祝福だろ)
と思った。
寺に行ったあたりだっただろうか、次の日朝起きるとエビフライが置いてある。
怖かった、まじで怖かった。だって、もう母親はいないんだよ。ボケてんの、死んだこと気づいてないの!
ただ、普通に母親がなくなったのは30代なのでまったくそんなことはないのだが・・・
まぁ、そのまま放置すると消費だけして社会貢献だけをしてしまうので、食べて自分貢献をすることにした。
口にエビフライを運び、一口かじる。
衣が口の中できれ、エビと分裂してエビとフライになった、味は塩っぽい。作ったやつ成仏してね。
エビフライ調理置き逃げ事件のことを思い返し、今日のエビフライを食べ始める。
一口かじる。
今日は、ソースが入っていた。
おかしくね、中になんで入ってんだよ、どうやってやったんだよ。
と心の中でツッコミをし食べていく。
食べ終わり、流しに食器を置き。
今日もまた出かける。
エビフライは気分を揚げてくれる。




