異星異変 肆~え?何て?
己の過ちを無視してきた結果が残酷であっても、それを本人が気付かない可能性もある。気付かないなら好きにすれば良い。
「霊夢ー!助けてー!」
全く、何でこんな所にこんなお荷物が居るのやら。
謎の機械に追われる、雛と静葉、あうんを見ながら霊夢は思った。普段は、妖怪(人外)に対しては冷たいが、今回ばかりはしょうがないだろう。
まあ三人とも、楽しんでいるようにも見えるが。
霊夢は札で機械達を軽くあしらった。
「ちょっと、気を付けてよね!いつまでも前に進めないじゃん。それに、自分達でもちゃんと倒してよ……!」
三人は笑いながら何も言わず、通路を進んで行った。
「分かってるのかしら……」
とはいえ、三人はそれからは極力倒すようになったので、霊夢は安心した。然し、幾ら歩いても核心的情報は見つからない。
抑々、帰り方さえ分からないのでこのままだとマズイ。
あと、時々何かが壊れるような音が聞こえて、ちょっと不気味。偶に激しい音がする。
「ねぇ、霊夢~。全然何も見つからないね~……」
「そうねー……。かなり、探索した気がするんだけど」
まあ、何時も何だかんだで霊夢の強運が働くので、左程心配ではなかった。
暫く、歩いていると下に下る階段があった。雛が言った。
「こっち行ってないよね?」
「あー……。確かに、霊夢行こう」
霊夢の返答を待たず、勝手に進んで行った。自由である。
「はぁ……。好い加減にして欲しい……」
下は通路が狭く、また敵が少ない。更には壁の彼方此方に凹みがある。
「霊夢さん~、これ若しかして誰かが戦ってたのかな~」
霊夢は頷きながら話した。
「あうんは堪が鋭いからね。確かにそうかもしれない」
あうんは褒められたかれなのか、興奮して走っていった。
「あっ、ちょっと待ってー!」
霊夢達の急いで付いて行くと、霊夢の顔色が段々と悪くなってきた。それに気が付いた、静葉が声を掛けた。
「霊夢~?大丈夫?疲れた?」
霊夢はゼイゼイ呼吸してから言った。
「こ、呼吸が……。なん、何か。苦しい……」
「え~……。大丈夫?戻る?ここで、二手に分かれてもいいかもね」
「いや、でも……。私は一人でも大丈夫よ。三人だったら、まだ、勝てる、かも、しれないしね」
「まあまあ取り敢えず戻って!多分この辺に何かがあると思う」
霊夢は静葉に押されたので、通路を引き返した。三人は少々不安になりながらも、頑張ろうと意気込んだ。
また、歩み始めると今度は広い部屋に辿り着いた。其処は全面硝子の部屋で外は宇宙だった。いや、外ではない。硝子は割れており、宇宙と繋がっていた。
あうんは更に興奮して話した。
「すごーい!此処って宇宙だったんだ!初めてきたー」
凄く喧しい。雛は冷静に話した。
「じゃあ、どうする?此処から出てみる?」
「いいね!何か情報が手に入るかも!」
「でも、大丈夫かな。危なくない?」
雛はそう言ったが、二人共もう乗り気である。なので、しょうがなく付いて行った。外は特に問題なく活動出来そうだが、人間なら死ぬだろう。
「わぁー。此の建物凄く大きいね!こんなに大きいなら探索するのは大変だね」
あうんは率直な感想を述べた。
「あっ!あそこ見て!あれ弾幕じゃない?誰かが戦っているよ!」
雛が指を指した。その先には確かに弾が行き交っていた。
「本当だね。誰かな?霊夢……は流石に違うか」
静葉は目を凝らした。然し、よく見えない。
「危ないかもだけど近付いてみる?若しかしたら幻想郷の民かもよ」
「あー。確かに」
三人は其処へと向かった。最初は誰か分からなかったが、次第に分かってきた。
「アレって幻想郷にいた機械と、んんー……。誰だっけ?何か見た事あるような気がするけど」
「多分秋晶じゃない?元外の人間だったとか……」
「あぁ、成程ね。一緒に来てたんだ」
丁度、秋晶が機械を全て討伐したので、あうんが手を振って呼び掛けた。
秋晶と龍毬はそれに気が付いて振り返った。
「あっ!あうんちゃん!来てたんだ。それに雛ちゃんと静葉ちゃんも!何で?」
秋晶はちょっと燥いで話した。
「私は霊夢と一緒に来て、雛と静葉は偶々なの~」
「そうなんだ~。それで、霊夢は何処?」
「宇宙空間だから来れなかった」
「そりゃそうか」
一先ず、合流出来たので皆安心した。
「じゃあ、如何する?今、私と龍毬はあと塔の天辺を目指しているんだけど……」
「いいんじゃない?あっ、でも、混戦になれば危ないかな?」
「大丈夫でしょ!そっちの方が心強いし!」
一緒に目指す事になった。
暫く飛んでいると、天辺が目前になってきた。然し、近付くにつれ敵の数も増えてきた。
少々、苦戦しながらも何とか辿り着くことが出来た。
「ふぅ~。やっと着いた。結構大変だったね。でも、此処に何かあるかもしれないね」
秋晶は嬉しそうに話した。然し、龍毬はこう言った。
「でも、どうやって此の壁を超えるん?扉何てないし……」
「あぁ~確かに……。ぶっ壊す?」
「えぇ~、そんなこと出来る?」
秋晶は少し、建物から距離を取った。そして、強力な妖力を溜めた。その力を思いっ切り壁へとぶつけた。
すると、壁が少し窪んだ。
「いけそうだよ!もっとぶつけよう!」
あうんは応援した。
更に秋晶が力をぶつけると、壁が破壊された。
「やったぁー!之で中に入れるね…。何があるかな?」
秋晶が一番に入ろうとした時、中から細い光線が飛んで来た。秋晶は避けられたが、あうんは被弾してしまった。
「わぁあ!大丈夫?あうんちゃん!」
秋晶は心配して寄ろうとしたが、再び光線が出てきて近付けなくなった。更に、雛と静葉も当たってしまった。
突然の事に秋晶と龍毬は戸惑ったが、素早く戦闘態勢に入った。
龍毬は規則「スモールフォワード」を使った。
籠球を持って投げつけた。其の球からは全方位に大きな弾が広がった。幾つかが中に入ると、光線が止まった。
其の隙に二人は入っていた。中には、青黒く長い髪を持った背の高い女性が居た。
「ん?誰かと思ったら子供か。如何する?私も鬼ではない。此処で降伏するなら、元の場所に帰してやってもいいぞ」
然し、龍毬は口を尖らせた。
「もし戻ったら、どうせ幻想郷を襲うんだろ?それなら戻っても意味がないじゃないか。お前を倒してやる!」
秋晶は少しそわそわとしていた。
「ははは!生きが良いな!いいだろう。だが、後悔させてやるよ」
彼女は再び光線を放った。そしてその光線が壁に反射して、軌道が読みにくい。秋晶は彼女の後ろに回り込み、弾を放った。
彼女は秋晶を狙って、光線と自機狙い弾も放った。
彼女が秋晶に気を取られている内に、龍毬が水符「河童のポロロッカ」を使った。
上や横から、水玉が降っている。彼女は秋晶を攻撃しながらは無理だったのか、適当に交差弾を放った。秋晶は軽々と避け、広範囲に広がる弾を出した。
彼方此方から弾が来るので、彼女は何度も被弾し、床に落ち、座り込んだ。
「クソォ……。何で……。こんな奴らに……!」
秋晶は近寄り言った。
「ねぇ、それで貴方が黒幕だったの?」
すると、彼女は不気味に笑った。
「それはどうかな。もう時期に来るだろう……」
「え?誰が?」
秋晶が聞いた時、外から強力な魔力が流れている事に気が付いた。恐る恐る外を覗くと、其処には、秋晶と同じ位の背の少女がいた。見た目は幼いが、溢れ出る力は異様である。
秋晶は多少震えながらも尋ねた。
「あ、貴方は…?」
少女はよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに、笑った。
「わしゃあしは、このししぇつのぬしとでもゆうへきかな」
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「まって…。何て言った?」
少女は少し怪訝な顔をした。
「ふぇ?どうゆうこと?にゃあもういっかいいってあげよう。わしゃあしは、このたてぇもののをすへるものだそ。ななしにらいか?」
龍毬も流石に口を開いた。
「いや、滑舌が悪くて何言ってるか分かんないの」
すると、少女は機嫌が悪くなったようだ。
「ふさけるな!わしゃしのかしゅせつはまっさくわるきゅない!」
怒りで更に何を言っているか分からない。秋晶は言った。
「取り敢えず滑舌の事はどうでもいいから、此の異変の主犯は貴方なの?」
「しょのとおりだ。どうた、こわぁいか?」
龍毬は少し小馬鹿にした態度で言いった。
「やっぱり、滑舌がふにゃふにゃだから何も怖くねぇよ」
少女は完全に怒ってしまったようだ。
「くぁwせdrftgyふじこlp�?しゃjぎ�#あか@r%剥いまかl§らやっ嗄@しゃ劾わを衍いか�えあら懡Φすぁ�えJPこと剥�こおう鷭ぁ=いさ¿れ母れΩいあぽ�やR!」
何を言っているかは分からないが、如何やら戦闘が始まったようだ。少女は弾を壁の様に生み出したかと、思うと其の弾は消えた。と思えば其の弾は二人の後ろに現れていた。
二人は隙間を通ったが、壁の弾が細かい弾に分裂し、二人の方へと飛んで来た。秋晶はぶつかりそうになったので、霊撃で弾を消した。龍毬の所まで霊撃は届いていたので、龍毬も攻撃に集中出来た。
少女は全く弾には当たらない。それどころか、更に弾幕を厚くしてきた。龍毬は籠球で弾を消した。
然し、此の儘では拉埒が明かない。秋晶はPを大量に消費し、高密度弾幕を放った。流石に少女も危うい瞬間もあったが、結局当たる事は無かった。
また、悶々としていると、不意に龍毬の方へと一つの弾が飛んで行った。それを避ける事は出来なかった。
一発ではあったが、龍毬は2m程飛ばされた。龍毬はその場で横たわった。
秋晶は近付こうとしたが、龍毬との間に光線が着弾し、爆発した。
「わかいjげおそあきもおいな!ふた吏いもfろとお圃ろおsしえあう!」
今度は秋晶に向かって、多くの弾が飛んだ。
走って逃げるが、突然天井が落ちてきた。
そして、秋晶は逃げ場が無くなってしまった。
「とあ⋓あw!こへえあめあいsあお頃る。簑あかくおいお!」
少女から秋晶へと向かって、極太光線が向かっていった。