つまらないなんて言わせません!
プロローグ
「これもダメ....これもダメ....。ああ、つまんないのばっか。」
その女性の呆れたような声が編集社内に木霊する。
現在の時刻は11時丁度である。
「はぁ。ちょっと寝るかぁ。ふあぁぁ。」
ガラガラガラ....
がたんっ!ゴンッ!
それから女性はこの世で二度と目覚めることはなかった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「お、うま....!げんき....お....だ!」
(ん、んん?何が産まれたん?)
「うう、ううぁ?うあああー」
「あなた、この子の名前もうきまったのですよね?何にしたのですか?」
(この子?あぁ、子供が産まれたのか。)
「うううん?ああ、うああう。」
.............。
(んん!?あれ、私寝てなかったっけ?編集社で!あ、あれ?)
「ああ?ううあい?あうああ!あううあ?」
「あぁ、勿論だ。この子の名は、....『アロリエ=ピロマン』だ!」
オオオオオオォォォォォォォ!!!!
(ちょっと待って。私下川凛月。日本人のテンションじゃ、これついていけないって!)
いくら凛月が心の中で叫ぼうと出てくる声は、
「ホンギャホンギャホンギャ!!」
泣き声だけだった....。
「おお、丁度アロリエが大声で泣き出したぞ!ちょっと心配だったのだ。きっとこの名前が嬉しくて泣き出したのだな。くくっ、かわいい娘だ。」
そう言いつつ父アロバイ=ピロマンがアロリエを抱いた。だが!
アロリエからしたら、産まれたてで目も開いていない中、知らない男性に抱き上げられたのだ。
恐怖以外の何物でもないだろう。だからこそ....
「ホンギャホンギャホンギャ、ほんぎゃーー!!!」
更に泣いた。アロリエの気分としては最っ悪である。
(きゃっ!何か触られた。こっっっわ!)
「な、なんだ、アロリエ、そんなに泣くこと無いではないか。」
いい大人が不貞腐れていた。