プロローグ
「ふあぁ、もう昼か」
時計は昼の12時を過ぎていた。
海斗は高校を卒業して今は春休み中である。
なので春休みを利用して今日から友人達と最近新しく開発されたゲーム、クローズドオープンアイランド(COI)というものをやることになった。
どうやらこのゲームはまだ自宅では出来ない仕様の為、友人の貴元の父親が運営している開発プログラムセンターに行き、プレイすることになる。
自宅から歩いて20分のところだ。
少し歩くとヨウベをみつけた。
「ヨウベ。おまえも今からプレイしにいくのか?」
「おゎ!ビックリした。海斗か。不意に声をかけられて驚いたよ」
ヨウベはそう言いながら笑顔で俺に話してきた。
「俺も今向かってたところだよ。大賀と辰白も今向かってるって連絡来てたからね。楽しみで昨日全然寝れなかったよ」
ヨウベの目にクマが出来ていて、子供みたいにはしゃいでおり、思わずポカーンとなった。
「どうした海斗?そんなアホな顔し始めて。早く行こう」
「あぁごめん。ってアホな顔は余計だ」
海斗は半ば笑いながらツッコんだ。
(ふふ、全く。アホにアホって言われてしまった)
「ん?海斗今心の中で俺のことディスらなかった?」
「えっ!?いやいや違う。そんなことないよ」
「そうか?まあいいや、行こうぜ」
「おう、行くか」
(相変わらず感は鋭いんだから。アホなのに)
快斗は再び心の中でヨウベをディスったが突っ込まれる事もなく二人でプログラムセンターへと進み始めた。
「後5分くらいで着きそうだな。おや?あの二人組は大賀と辰白じゃないかな?」
快斗がそう言うと二人組がこちらを振り向いた。
「おぉ、快斗にヨウベもいたか。二人も向かってたところだったのか?」
大賀が昼飯なのかカツサンドを食べながら話してきた。
「俺は途中でヨウベと会ったからそこから二人で来てた。つかそれは昼飯か?」
すると辰白がやれやれといった感じで口を開いた。
「大賀がさっきまで全く起きなくて仕方なく無理やり起こしたんだよ。起きてから何も食べないのもダメだからさっきコンビニでカツサンドを買ってきてやって食べさせてるとこだ」
なんだかんだと文句を言いながらも辰白は結局世話を焼いてしまう。
(どっちが兄貴だか分かんないな)
いつもの事だが、海斗とヨウベはそう思った。
「よし、4人揃った事だし、早いとこ向かいますか」
海斗がそういうと3人も頷き、同調した。
「到着したら貴元に連絡いれるか」
「おぉ、辰白ありがとう。宜しくね」
海斗はさすがと思いながら辰白にお礼をいった。