駄勇者が!!
まだ全ての罪の清算を済ませていない元犯罪者のモヒカンの娘リリンと冒険に出ることになったメロウス、リリンの真っ当な活躍により世界は安定し、メロウスは満を持して最後の異世界召喚を神に依頼したのであった。
私は、なんかイラッとして殺したモヒカンの娘『リリン』(10歳)と共に旅に出た。
そして、全世界の勇者の足跡をたどり、11歳のとき勇者の足跡を記した『ブレイバーロードマップ』を作成し、次にそこに至る道に、拠点となる町を作ることを推進し、15歳の時に功績により騎士団長になる。二十歳の時に、次の後継者たる勇者を選抜、勇者の地位から去り、各拠点となる町の安定に努めた。
彼女の死後、数百年後、彼女を女神とする宗教があらわれ、彼女が作った町は、聖地として大いに栄えた。
そして、レフトハンドソードが去ってから千年、私メロウスは、遂に自分に合った刀身を作るべく、ダメ押しとして、異世界からの勇者召喚を神に依頼した。
そしてやってきたのがこの少年、いや見た目は少年だが中身は40代男性の転生体である。
「私はメロウス、別名レフトハンドソードと言います。アナタの名前は?」
「名前は良いから伝説の剣をよこせ」
ん?何かしら?
「伝説の剣をくれ」
「遠慮の欠片もないな」
「やることは変わるまい(・・?」
少年は常に無表情で無感情に飄々としている。
なんだろうコイツ?なんでコイツにしたんだろか?私は確か神様に『異世界転生の知識があるか、RPGゲームに慣れがあるタフで落ち着いた男』って言ったのに、なにか違う気がする。
「なんだお前を掴めばいいのか?」
少年はメロウスを振り回しながらスキップした。
「ちょっとやめ…」
制止するのも聞かずに、無理矢理に中身を引っこ抜こうとしてきた。
「いだだだ!!やめろぉぉぉ!!!」
「なんだ?」
どういう力?痛覚ないのに痛みを感じたわ。
「勇者として、必要な条件を満たさない限り抜けないの」
「絶対?」
「絶ッッッ対!!」
「油を注してもか?」
「錆びてぬけねぇんじゃねぇよ!!」
「ジャイアントトードの油なのに?」
「カエル関係ねぇぇえ!!」
なんで神はこんなヤツ…ステータス確認っと…おお、HPとSTRがバグってる!確かにコレだけでも価値を感じる…ん?何この項目『遠慮0 配慮0 考慮0』どういうこと?
「なにこれーこんなの見た事なーい。」(棒読み)
「よし、じゃあ行こうか」
勇者はメロウスを手に入れた。
「どこへ?」
メロウスを腰に装備してズカズカと外に向かって歩き出す。
「さあ?どのみち、どこかいってなにかするのだろう?」
「さあじゃねぇよ!ちっとは考慮しろ!そもそも遠慮なく伝説の剣装備してんじゃねぇよ!!よその世界に来てんだからそれなりの配慮ってもんがあるだろうがぁぁぁぁぁあ!!!」
あっ!あのステータス項目はこういう事か!!と、腰から離れながらメロウスは理解した。
「まあまあ落ち着け短気はいかんな」
「お前のせいだろぉぉぉが!!」
「ところでなにをさせる気だ?」
「貴方には伝説の剣の材料を集めてもらいます。」
「なんだお使いか」
不服そうな顔丸出しである。
「モンスターとか居てあぶねぇぇぇぇんだよ!!」
「そもそも、お前が伝説の剣だろ、なぜお使いしなくてはならんのだ?」
「それは勇者の足跡を辿ることで、アナタを鍛え上げるのが目的なのです。」
「なら普通に鍛え上げればいいだろ?」
「今回は、伝説の剣の材料が揃うことが確認出来ているのです。ですので、たとえ私を抜くことが出来なくとも、アナタに合う最強の伝説の剣を作ればいいのです。」
「もう剣はあるんだから剣はいいだろう?」
「うん、だから抜けなかったとき用って言ったよね?」
「まあいくか」
勇者はズボンの中にメロウスをしまった。
「やめろぉぉぉぉ!!」
ズボンから飛び出した。
「なぜだ?」
「普通はズボンにしまわねぇだろうぐあぁぁ!パンツ直に触ってもうたわぁぁ!!」
「仕方なかろう。腰に帯刀するのに慣れとらんのだ」
勇者は不服そうにしている。
「それにしても、もっと別な所にしなさいよ!!」
「仕方ないな~我がままばかりではいかんぞ」
勇者はパンツの中にメロウスをしまった。
「ぎゃめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
パンツから飛び出し、己を浄化するかのように光を放ち続けた。
「なんでテメェのサオにサヤがサワらんといかんの邪ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
「こんな時に早口言葉か?こっちは世界を救うために急いでるんだぞ?」
「早口言葉ちゃうわい!」
「なんだ要領を得ん奴だな」
私は、なにかいい情報がないか、今度はもっと隅々までステータスを見ることにした。
「どうした止まって?」
すると、不思議な一文が書いてあった。
柴田亜美の書く勇者のような動きをする。
「柴田亜美ってなに?」
「いきなり質問とは不躾な奴だ」
「いいから柴田亜美ってなに?」
「僕の好きな漫画家の先生だ」
じゃあコイツの振る舞いは、その柴田亜美の勇者をモデルにしてるってこと?漫画の影響なんて子供っぽいわね~
「まあともかく仲間で、僕の事は遠慮くフレンドリーに」
フレンドリーなんて仲良くする気は…
「勇者様と呼べ」
「……ん?」
いまコイツ勇者様と呼べって言ったか?
「ところでお名前は?」
「勇者のりくんだ」
「じゃあのりくん」
あからさまに不機嫌そうな顔で、答えた。
「初対面から馴れ馴れしいヤツだな」
あ~なんだろこの感じ?柴田亜美って人の漫画読んでないから知らないし、漫画そのもののせいではないけど、ハッキリわかることが一つだけある!!!
「駄勇者が!!!!」
勇者のりくんと旅に出たメロウス、漫画っぽい勇者の振る舞いに、メロウスの怒りは限界に達した。
次回 駄冒険が!!