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突然月変異  作者: 檸檬
7/10

反逆

=数か月後:愛知=

「はぁ、のどが渇いた」

 俺は、久しぶりに外に出ていた。外はもう夏ですっかり暑くなっていた。俺はどうやら全国指名手配犯になったらしい。ということは街に下りてきたときに気付いた。というのも俺は、ずっと山奥で独りでいた。クマやらシカやらに襲われたが、倒してしまった。俺は、俺は死ねない。俺は自分の能力を誤解していたのかもしれない。俺の能力は、

「おい、あいつ、桐一葉じゃねぇか?」

「そうだな、早く捕まえようぜ」

 めんどくさいことになった。俺は逃げようとした。しかし、影から何かが現れ、俺の足首をつかんだ。そいつは忍者のような恰好をしていた。

「ようやくしっぽを出したか」

「誰だ・・・お前は」

「今は名乗る必要はない。少し付き合ってもらおうか」

「断る」

 そういって、振り払おうとしたが、影が自分に巻き付いていてどうにもならずに、俺は影に飲み込まれた。そして、気づいたら、周りには偉そうな人たちがたくさんいた。

=数時間後:某所=

そこには、FATEやあのFATEともにいた男もいた。そして俺を捕まえたやつもいた。

「ようやくお目覚めか。」

「誰だ、てめぇら。」

「言葉遣いがなってないですね。我々はあなたの上司に当たる人間です。あ、申し遅れました、わたくし、ZEUSと申します」

「ZEUS・・・。ああ、俺を無理やり日本防衛軍に入れたやつか。そんなかしこまった言い方してもきめぇだけだぞ」

「おい、ZEUS様になんてこと言いやがる」

「まあまあ、構いませんよ、NEXUS。」

 ゼウスといえば、全知全能の神。本当にそれだけの能力があるのならとても勝てない。と思う。

「それで、俺をどうするつもりだ」

「ここにいる者たち全員と戦ってもらおうか。WHOLE」

「断る。」

「なぜだ。」

「俺が勝てることは決まっているからだ」

「けっ。よく言うぜ。」

「てめぇは自分の能力を過信しすぎだぞ」

「なんとでも言え」

「まあ、NEXUS、FATE、相手をしなさい」

「・・・はい。」

「お任せください」

 俺は、戦うなんて言ってないし、戦う気もない。

「ホントに、戦意がないんだねぇ。まぁ、戦わないのなら、お前の大事な人を殺すだけだ。」

「出来っこねぇだろ。表向きは警察なんだから。」

「いいや、できる。警察だから」

「ああ、そういうことか。なら、俺も本気で行かないといけないということか。」

 冤罪、隠蔽、国家権力。ああ、考えるだけで怒りがわいてくる。

「そういうことだ。さっさと準備しn・・・」

 俺は地をけりNEXUSの顔面に一発けりを入れた。そして祈りに入った。

(誰も死なない。俺の大事なものは誰も死なない)

「な、なかなか、いい蹴りでしたね。FATE、私の強化を」

「わかったわ」

 そういって、祈りに入っていった。

「悪いが眠ってくれ」

 はっと、顔を上げたがそこには以前会った時のような余裕はなかった。

「お前を解放してやる。だから、だから、眠ってくれ」

 そういって俺は、彼女の首に手刀を打ち込んだ。彼女は抵抗することなくそのまま倒れた。

「さあ、これで一対一だ。ここにいるということはそれなりに強いんだよな?」

「あ、ああ。見せてやるよ。俺の本気を。これでもくらえ」

 そういって石を投げてきた。正確には碁石だった。

「震えて眠れ」

 そういって、奴は手を握った。すると、碁石のようなものから光の矢が飛び出してきた。

「は、はは。ざまあみろ。これでは立ち上がれまい。」

「気をつけろ。まだ来るかもしれない」

=同時刻:同所=

 私は、薄目で戦いの光景を見ていた。それを見ながら私はずっと考えていた。なんで私は自分の能力を使いこなせないんだろう。何のために警察のトップになったのか。何のために父親を犠牲にして戦ってたんだろう、と。

 いろいろ考えていると、桐なんたらがいた場所から光の矢が放たれた。それは、NEXUSが碁石から放ったものと同じだった。

「な、なんで。なんで、なんで、なんでお前は、立っていられる!!うぐっ」

「しゃべるな。傷が痛むぞ。ここを破壊する。」

「総員、WHOLEを止めなさい。」

「知ってるか?歴史は繰り返すんだぜ」

「何を言って、」

 そういって、彼は一瞬で分身した。

「しゃべんな。かかれ」

 勝負は、かなり一方的なものになっていた。ZEUS様以外は分身にすら勝つことすらままならない状態になっていた。分身は本体より弱くなるから。そのZEUS様はというと、本体であろうWHOLEと戦っていた。

「ふん。口ほどにもないな。さっきまでの威勢はどうした」

「まさかこれだけだと、思ってるのか。」

「お前を倒せばいいだけだ。死ね」

 そういって、目を大きく開いた。目の黒目が赤く怪しく光る。

「の、能力が使えない・・・」

「消え失せろ、サンダー」

「あがががががががががが」

「雑魚が。本体がこれなら分身も大したことなかろう」

 私の位置からは見えていたのだが、一人刀のようなものをもって天井付近まで跳んでいるWHOLEがいた。なんか説明がしづらいのだが、上からハヤブサのように突っ込んでいる。

「俺が雑魚だって?」

「な、本体を倒したはずじゃ」

「死ぬのはそっちだ、ZEUS!!」

「く、SHADOW(シャドウ)!!なぜ、いないn」

「閃光・光の刃」

 そして、あたりは激しい光に包まれて、私は気を失った。

=同時刻:同所=

 俺は、誰も殺していない。気絶させただけ。取り敢えず、あいつのもとに行こう。

「FATE、後始末を任せた。」

 そう言い残して、俺は窓から飛び立った。どうやら東京にいたらしい。東京スカイツリーがあった。

 そして、30分ほどで名古屋に着いた。新幹線よりも断然早いな。俺は、すっかり暮れてしまった名古屋の街を歩いていた。そして、自警団とかかれた看板の前に立った。そしてその扉を開けた。

「おーい。和真?いるかー?」

「誰?お前。」

「そういうのは名乗ってからいうもんじゃないか?」

「あっそ。僕は零度。和真さんなら神田家にいるよ。護衛だとかなんとか」

「おお、有難う。」

「まって。名前は?」

「WHOLE、反逆者になりうるものだ」

 そういって、俺は神田家に向かった。

 神田家の真上ぐらいに着いた頃に、違和を感じた。今まで、感じたことのあるようなないような気配だ。取り敢えず俺は、光の刀を作った。そして、突っ込んだ。その気配を放つ者に。そいつは、こちらに気付いたのか、真剣で応戦してきた。圧倒的な力の前に俺はバランスを崩した。その時俺は死を感じた。

「お帰り。久しぶりだね」

 その言葉に、安堵し地面に突っ込んだ。

「ああ。ただいま、和真。そして、青海」

「もう。遅いわよ。さ、和真君も一緒にご飯食べましょ」

「え、いいんすか?ごちそうになって?」

「いいわよ。」


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同時刻:京都

 わしらは、この数か月間で、近畿、中国・四国の全ての府県を堕として、関西軍ちゅう風に名乗った。ほんで今、九州軍と手ぇ組むように向かってる。次は、東海を目指す。

「おい、檸檬。」

「なんや」

「日本防衛軍が負けたで。」

「は?誰にや?」

「WHOLEっちゅう日本防衛軍の一員に」

「たった一人に負けたんか。よええなあ」

「それがそうでもあらへんねん。そのWHOLEっちゅう男はアバターの能力を使えるらしいで」

「ほぉ。それは、面白うなりそうやな」

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