掌
同日/11:00:京都
そんなこんなで京都に着いた。腹が減ったから食事処に入っていた。この後京都府警に行くし、府警のすぐ近くで食べていたんだが、府警のほうから轟音が鳴り響いた。
「な、なんだ?」
府警の本部が襲撃にあっていた。襲っていたのは高校生や大人など様々だが数はあまりにも少ない。
(この程度の人数もカバーできないのか?)
止めに入ろうにも、法律で警察の許可なしに攻撃は禁じられている。
(仕方ない、府警の屋上から入るか)
俺は食べかけていたうどんを全てすすり、さっさと支払いをして屋上まで飛んだ。
=京都府警入り口=
「いくぞ!」
わしは号令をかけ一気に攻めに入った。
わずか数分で入り口を占拠、一階と二階を制圧した。残すは三階だけや。
=京都府警屋上=
当然だが屋上に入るための扉があった。鍵はかかっていなかったので入ることは簡単だった。
階段を下りていき、犯罪防止班会議室なる部屋を見つけた。俺は躊躇することなく扉を開けた。
「俺は、愛知県警の指令でここに来た、桐一葉と申します。」
「おい、今会議中ということがわからないのか?」
「いいんですか?もう来てますよ」
「は?う、嘘やろ?まだ五分もたってないで」
「俺なら時間稼ぎ、いや、事態を収拾させられますよ」
「・・・っ!ふざけんなよ!!これはわしらの問題さかい!!よそ者が口を出すな!!」
「そうですか、じゃあ、頑張ってくださいね」
俺は途中から扉に攻撃をしてきている奴がいることに気付いていた。俺はそのまま扉の前から移動した。
案の定扉がすぐに吹っ飛び会議室で交戦が始まった。しかし、あまりにも強すぎる。警察が負けるのもすぐだった。俺への攻撃もあったが、攻撃してきたやつにだけ、攻撃をし、隙を見て屋上へと逃げた。
そこには、一人の少年がいた。
「誰や、あんた」
「こっちのセリフだ」
「わしは檸檬、今回の襲撃のリーダーや」
「へぇ、俺の名前は一葉。愛知県警の指令できた」
「じゃあ、警察の味方っちゅうことやな」
「そう思うならそれでもいいが、俺に勝てると思ってる?」
「当たり前や」
そういって、奴は何かを俺に放ってきた。しかし何も見えない。俺は地面に手を当て形を変え、バリアを作った。壁に当たってであろうなにかは壁の形を大きく捻じ曲げた。恐らく空間系の能力だろう。なら話が早い。手を大きく振り水を出した。
また、何かを飛ばしてきた。そこに水を当てた。水の形を変えることは不可能だからな。
「お、お前!い、一体どんな能力を持っているんだ!?」
「そんなことを話す義理は俺にはない。」
そういって、俺は飛ぶときに使った方法と同じ方法で腕を肥大化させそいつをぶん殴った。
「あぐっ」
=同時刻:同所=
な、なんなんや、こいつ。強すぎる。能力の複数持ち。あり得ない強さ。早いため。能力を得てから一週間の実力じゃない。
「がんばれよ、京都を治め切れよ。じゃあな」
耳元でそうささやかれた。
「く、くそう。も、もっと強ならかん」
俺はすぐに右手を体に当て左向きに手をひねった。体の傷はすっかり癒えた。
「檸檬!府警の本部の制圧完了したで」
「ああ。残りもいくで」
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同日/15:00:愛知県警
あーあ。京都が落とされたか。守備力が低いから仕方ないといえばそうなんだけども。あの桐というやつはつぶせたかな?私はネットニュースを見ながら楽しみにする。
コンコンコン
「はいどーぞー」
「失礼します。」
「あら。生きて帰ってきたのね、桐くん」
「そんなことはどうでもいいです。報酬を」
「あら、そう。これで、足りるかしら」
私は彼に十万円の入った封筒を渡した。
「ああ、十分だ」
「お疲れ様、またよろしく」
「あんたも、気をつけろよ」
「大丈夫よ」
彼は何も言わずそのまま出ていった。何かを企んでいるような感じは見受けられなかった。でももし、反乱がおきたとしても大丈夫。私が最強だもの。