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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
一章 『御影』と『鳥居』
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『遺影』

距離およそ3メートルほど。顔もしっかりと見える。真っ白な肌に日本人離れした骨格。恐らく外人だろう。

御坂より年上っぼい、お姉さんって感じがいかにする。肩まで伸びた金髪を靡かせながら、立ち止まる。


「……………………………『遺影』か?」


「そうだよ、みかげくん!二回目だけど、元気してるー?」


『遺影』と呼ばれた人は片手を軽くあげ、ヒラヒラとさせる。恤は幽霊じゃなくてほっとし、誰だこいつと警戒していた。御坂の背中に隠れたままだが。


「ああ、元気だよ。どのくらいぶりだっけ?二ヶ月…………いや、五ヶ月か?」


「ピンポーン、大正解!海外での研修以来だよ♪」


話についていけない恤は警戒しながら考えてみた。


(五ヶ月前……………御坂さんが仕事で面倒くさいことになったって、ぼやいてたやつかな?どうしてって聞いて……………あるひとがいるっていってた、よね)


『鳥居』は脳をフル回転させ、手には刀を構えられるように、『遺影』を睨む。


「それにしても隣の子、誰かな?新しい相棒ちゃん?それにしては若いねぇ。………うん!それにかわいいね。『逢瀬』ちゃんは元気?」


「………………………………………『逢瀬』は死んだ」


『鳥居』こと刀願恤については触れず、かつての相方『逢瀬』については簡潔に答えた。触れられたくなかった、というのもあるが御坂は丁度。


たまたま、『逢瀬』に関する記憶を久しぶりに思い出した。忘れようとしていた記憶を、傀儡殺人鬼のせいで思い出してしまった。


この時、恤が聞いていたなら『逢瀬』って誰?とか聞くだろう。今後の展開には変わらなかったが、聞いていた方が良かったと言えるだろう。しかしながら、恤は思考思案しており聞いていなかったのだが。


「そ。会いたかったなぁ、『逢瀬』ちゃんに」


つまらなさそうに『遺影』は言った。


本心からの言葉では無いのだろう。少なくとも、御坂にはそう聞こえた。そして、一気にテンションが上がり嬉しそうに言った。この場に不釣り合いな眩しい笑みで。


裏表が激しいものだ。表情もコロコロ変わる。


「いやぁ、偶然だね!運命の巡り合わせかな?巡ってめぐって、海外渡航してすぐ仕事。ついてないなーって思ったけどみかげくんに会えたよ。感激!観劇!これは奇跡だね♪」


運命の巡り合わせ。傀儡殺人鬼も言っていた。思い出して、少し顔をしかめてしまった。


「感激が観劇になってる。会話で遊ぶなよ、『遺影』。変わらないな、いつだって」


「変わらないよ、ワタシわ。みかげくんだって…………変わらない。いえ、変われないのねーみかげくんは」


「…………………」


『遺影』は楽しそうに、からかうように話す。時折、その場でステップを踏んだりしてる。こいつは昔から大人びているようで、子供のよう。


御坂はそっぽ向いて話してたが一瞬『遺影』と目が合った。思わず逸らし、またそっぽを向く。


「ほら。また目を逸らしたね。いっつもそう」


呆れて『遺影』もそっぽを向く。


「で、何しに来たのかねみかげくん」


「……………『遺影』こそ」


「ワタシは貴重で秘密で醜くい︹天女︺の護衛よ。相方が休憩して来いって五月蝿いから、仕方なく休憩してるの。相方ときたら、ワタシといると疲れるって言うの。失礼しちゃうわね」


やっぱりか、と御坂は思う。ここに来る輩は護衛任務で来た人、もしくは窃盗犯だ。足音がしなかったのも、殺し屋だからで済まされることだ。でも、〘天女〙の護衛はここにいるのかが不思議だ。『再開発』からの資料にはそんなこと書いてなかったし、本人も一言も…………。

ならば、『再開発』は知らなかったのか?護衛がいること。

それは無いだろう。『再開発』はこうゆうことはハッキリという。それに「君に聞かれなかったから答えなかったのさ」とかで言い訳されそうだ。

でももし伝えなかったことに意図があるなら………探る必要がありそうだ。


でも今は任務遂行の時間である。覚悟を決めろ、『御影』。


「俺は…………………………………目を奪いに来た」


「そっかぁー。ざーんねん、みかげくん」


残念そうーーーーーーー否、嬉しそうに『遺影』は嗤った。

そして、腰のポシェットから折りたたまれて収納されたモーニングスターを取り出す。


モーニングスター。別名、明けの明星。振り回して使う殴打武器。鎖の先に着いた鉄球は50キロはある。


ドスンーーーーーーーと地面に落とし、御坂を殺意丸出しで睨む。


「みかげくん、ワタシと殺し合わなちゃ、だね♪」


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