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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
一章 『御影』と『鳥居』
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洞窟

〘天女〙が住むのは洞窟だ。まず、電車で5つの駅をまたいだ所の山姥山に向かう。次に、山姥山に入ってすぐの分かれ道の右を一直線に進む。整備されていない道だろうと構わずに、だ。そして、人ひとり分くらいの大きさの穴がある。それを這って何分か進むと、洞窟に到着だ。


 「なにも、見えない………」


 「持ってきたライトつけて」


 ベルトに掛けたミニバック、背中には武器。ミニバッグには懐中電灯と非常食、水が入っていて遭難しても大丈夫なようにもした。最も、迷うことは御坂にとってありえないのだ。何度も来ている場所だから。


 御坂はいつもの和服では邪魔かと思ったので、今回ばかりはほかを着用した。恤もだ。

動きやすい、軽い、丈夫の3つを重視している為、見た目はあまり格好良くない。気にしていないが。Tシャツ(防弾チョッキ着用済み)に防水機能付きのフィットネスズボン。


 洞窟の高さは3メートルほど。進んでいる方向に仄かな風を感じる。冷たく突き刺さる風に目を細めつつ、歩いていく。殺し屋となり習慣となった、忍び足も音を立てずに自然とできている。恤も御坂の後ろをちゃんとついてきているようだ。


 「〘天女〙のところには、護衛として雇われて………何度かみたことがあるんだよ」


 「護衛……………そっか、色々持ってるから盗賊とか来るよね」


 「盗賊って…………今風に言うなら泥棒だろ。いや、窃盗犯?」


「怪盗は?」


「あー、どうだろ?」


腑抜けた会話をしながら2人は進んでいく。先日に仕事の内容確認及び作戦は決定していたので、トントン拍子に続いた。


(護衛の仕事……………………………『逢瀬』とやったなぁ。その時、『逢瀬』は平気な顔してた…………感覚おかしいだろ。俺、吐いたんだっけな)


思い出を蘇らせていると、後ろから肩を叩かれる。


「あれ……………誰ですか?」


恤の視線の先。暗闇の中、恤が持っているライトと別にユラユラと青白く揺れて光っている。それに、だんだん近づいてきているようだった。長い長い洞窟の道は歩いたら普通、音が反響する。それが聞こえない。


「まっ……まさか!?幽霊です、か?」


「ちょっ、恤。落ち着いて」


目をくるくる回し、御坂の服のはしを強く握っている。ここまで動揺するとさすがに困った。それに、恤が幽霊が苦手なことは意外だった為、かなり驚いた。………まてよ、この光の揺れ方といいクソがあいつに似ている。


「もしかして…………恤は幽霊とか苦手なの?」


「にっ苦手なわけないじゃないですか。私だって殺し屋ですよ!!それと、恤、じゃなく………て今は『鳥居』です!」


「あっ………………なんか、ごめん」


滅多に大声を出さない恤が動揺してる。声を震えてる。質問したのが悪い気がして、つい謝ってしまった。そうしている間にも、光が近づく。懐かしくも憎たらしい声とともに。


「あっれれー?君、確か……………みかげくん!おっひさー、元気してる?」

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