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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
五章 御坂と恤
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エピローグ03

 地下深く、コンクリートの壁で覆われた広大な部屋。床には配線が張り巡らせされ、機械の駆動音、水中で泡の音がよく響く。つんと耳につく嫌な音だが、もう慣れたものだった。そもそも中身のことを考えると胸が高鳴り、不思議と高揚感に見舞われる。

 それは自身の研究の集大成であるだからだろう。


「………もう少し」


 無数の配線は一つの培養ポットにすべて接続されている。

 長身の白衣を着た男は静かに笑う。培養ポットの薄紅の透明水の中、体を丸め屈める裸の女性にむけて。


「もう少し」


 ここまで完成させるまでの道のりは長かった。


「『白蛇』さん。あなたの意思は、目的は、永遠の命とともにもう時期叶いますよ」


 『白蛇』ーー培養ポットの中の女性に確かに語った。


 目を細め、懐かしむように。


「『御影』くんに『鳥居』くんは実に働いてくれた。〈天女〉の目は勿論だが、『鳥居』くん。君は『御影』くんを救い、そして殺してくれた」


 『御影』くんは情が移りかけていた。こう見えても根は忠実、優しくされれば好いてしまう。『白蛇』には及ばないが、だからこそ『逢瀬』も『御影』も自分の手を煩わせず死へと誘うことができた。


 すべて計画通りに事は進んでいる。 


「『御影』くんにとっても次に『白蛇』の姿を見れば泣いてしまうだろうから、魂だけでも『逢瀬』くんと会えるといい」


 ただ、一つ問題があるとすれば『冥土』のことだ。薄々感づかれていたことは分かっている。だからこそ、今回の任務で弟殺しをさせ、自殺させようとした。


 が、人の心というのはかんたんには動かせないらしい。  

 当然も当然。


「まあ、戦争の終わりはもうすぐさ」


 とは言ってもまだ一手足りない。

 私の目的は『白蛇』の願いを叶えることだから。願いは壮大だが、叶わなくもない。故に地道に積み重ねてきたのだ。

 特に、今回のことはプラマイゼロである。党首からは信用はもぎ取ったが、『冥土』あたりからは不信感を持たれたはずだ。だが、立場上はこちらが上なので問題はない。


 だから次は殺人鬼だ。殺人鬼は少数だが、ここの質が非常に高い。そして家族としての繋がり、結束がある。弱点でありながらも、強者たる特徴であるのだ。恨みを買えば、こちらが消され元も子もない。


 できれば殺人鬼と呪術屋あたりを当たらせ、戦力を削りたいところだ。呪術屋が潰れてくれれば大いに助かる。


「……………やるべきことは決まった」


 白衣の男ーー『再開発』から笑みは消える。

 陰謀は計画を慎重に、狡猾に、練る。


 愛しき恩師『白蛇』の為に。

 

「さあ、第二の小さな戦争ーー殺人鬼VS呪術屋の殺し合いを始めよう」



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