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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
五章 御坂と恤
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デジャヴ

 時刻は深夜の2時。

 夜闇に木陰に隠れるのは和服を着想した男女二人の少年少女だ。


 群青の長髪を一つに束ねた美少年と翡翠の高めに一つに結び赤のリボンをつけた愛らしい美少女、薙灘御坂こと『御影』と刀願恤こと『鳥居』だ。

 二人は今、豪奢な壁に大きく囲まれる屋敷へと侵入を試みようとしていた。


「刀願家の何倍だろ………?」

「そもそも建物の建築構造が違うからな。比較しようがないよ」


 代々、薙灘家に続き殺し屋一家は和一度だ。それに衰退したものもあるので、分家よりは大きいもののこの屋敷には劣るだろう。


「『再開発』さんから聞いた通り、警備が強いのです。どうやって侵入するのです?」


 正面玄関には黒のスーツにサングラスをかけた警備員が二人いる。それに監視カメラも365°目が張り巡らされている。仮に抜けられたとしても屋敷の前に学校のグラウンド以上の大きさの広場がある。洒落た街灯を道沿いに50メートル先、ようやく玄関につく。


「全部、『再開発』の計画通りでいいよ」


 『再開発』の計画はめったに外れることはない。


「……………『御影』さんは信用してるのですか?」


 疑問系なのは『御影』の真意を知ったからだろう。あの気持ちに隠れた決意。その裏の過去。


「うん、信用はしてる」


 皮肉にも……だけど。


 そう言葉にしながら、数時間前の『再開発』との会話を思い出す。日笠と別れ、学校帰りの恤と合流して『再開発』のもとへと急いだ。任務について、それと御坂が個人的に聞きたいことについての為だ。ちなみに恤とはまだ少し気まずい(恤が一方的に)があまり気にはしない。


 大好きな相棒はとても強いのだから。


 とまた面と向かって言えば、頬を赤くしてしまうので言えないけども。


「恤のクラスに日笠って名字の子いるか?」

「えっあ……そうですけど………なんで知ってるです?」

「その婚約者である篠宮家に関係する任務を受ける」

「本当ですか!?」


 恤は食い気味に御坂に迫る。いい加減、恤の感情の起伏にもなれてきた。御坂もまた詳細は知らないので問われたことには全部答えられなかったが、道中で任務を受けた理由だとかそれに関する日笠海々のこと、恤の学校生活についてだとかも聞いた。御坂も黄泉姉さん、戒兄さんのこと、日笠湊の存在のことも答えた。


 そうして話している内に右往博士のもとに無事ついた。


「まず、二人からの要望の任務が通りました、パチパチパチパチ〜。おめでとう」 


 右往博士はわざとらしく拍手する。


「とは言っても君達が予期せぬ形に向いてしまったかもしれないけど…………まぁ、どうせ今更断ることもできないからね」


 どうせ右往博士の計画通りなのだろう。過去も今も、本当に変わらないのはこの人ではないだろうか?


「『御影』くん、『鳥居』くん。君らには篠宮財閥の壊滅の任務を与えるよ」

「え?私が要望したのは暗殺だったはずですけど……」

「いやぁ、翠鎌家にかけよったんだけどね許可下りなかったのさ。すまないね、『鳥居』くん。その代わりにと入っても何だけど、薙灘家に駆け寄ってみたのさ」

「うちに?」


 一度だけ襖越しに会話したことのある薙灘家党首を思い浮かべる。冷酷な重厚な声質と戒兄さんよりも蓋周り大きな体躯。右手の届く範囲には薙灘家の党首の証の薙刀『紡』があり、絶対的な服従を不思議に植え付けられた。その存在感と威圧感に押しつぶされた。


その時から、御坂は弱く脆かったのだと今思う。


「そしたら万事解決。篠宮財閥は裏社会側だったようだね。結構前から依頼を受けていたらしくて人材が揃うのを待っていたとのことだったのさ」


「そりゃあまあ大掛かりな任務ですからね。でも、壊滅させたとしてどうするんですか?大きな企業ですし、表の方に影響とかは……」


「それは篠宮財閥に継ぐ大手に財力を受け渡すから平気さ。財閥代表者とその護衛……まあ資料にまとめてあるから目を通しておいて」


 手渡しされた資料には数百名の名が刻まれていた。これに護衛を加えるとかなりの数になるのだろう。その中に日笠の言う妹の婚約者の名もあった。代表者の息子であり、裏にも大きく関わっているようだった。父の下で学んでいるのだろう。裏社会のこともいずれ耳にする……否、耳にしていてもおかしくは無い。そもそも、篠宮幸太郎だけでなく、篠宮家の姓を持つもの全員がリストに入っているようだった。


 これは薙灘家の仕事。基本、二人以上で当たることが多い上、大規模な壊滅任務には人数が追加される。何となく、予想がつくが。


「助っ人もいるから『御影』くんと『鳥居』くんは篠宮幸太郎、そして護衛の殺しを頼むよ」




 改めて、『御影』は自分の任務を再確認する。任務内容なだけにあくまでもサポート役として立ち回る必要がある。それならば堂々と囮とし、こわちらに護衛を集めされるのが最適解だ。こちらの目的である篠宮幸太郎の殺しは難しくなるが、素早く済ませたい。 


「とりあえず………『鳥居』。伝えた通りに」

「はい、『御影』さん」


二人は立ち上がり、薙刀と刀を持って正面の門にへと足をすすめる。


「おい、そこの。何者だーーー!?」


 暗闇の中数メートル離れた先から近寄る気配に警備員の一人が強く言う。和装の少年、その手に持つ薙刀に反応し拳銃を素早く取り出し発砲した。この銃声が任務開始の合図。弾は的確にこめかみを狙われるも、『御影』は薙刀で弾く。弾きカウンターした弾は見事に警備員のこめかみへと着弾した。その間に『鳥居』ももう一人の警備員を方で心臓を人差しする。


「任務、開始」


 正面門の鍵を壊し、侵入成功。手短に済ませた予定だが、玄関から多くの護衛が飛び出してきた。ご丁寧に殺しリスト全員に記載されている者だった。『御影』と『鳥居』は巧みな合わせ技で生きのあった殺し合いをする。


 『御影』の薙刀は風を鳴らし、滑るように首を取る。

 『鳥居』の大刀は間を裂き、鮮やかに人思いにやる。


 時には薙刀の柄を足場に『鳥居』が死角からの攻撃で不意をつく。増援を呼ぼうものなら間合いの広い『御影』が排除。


 お互いがカバーし、一心同体となり戦う。そんな中一人『御影』は、かつての『逢瀬』に『鳥居』を重ねていた。


「これで全員です?」

「まだいる。多分、半分はやったはず」


 『御影』は護衛達からものを弄る。この屋敷は見た目以上に広く迷いやすいので地図かなにか持っていないのかと探っていた。それに、地下室なんかの鍵があれば良いなと思いつつスーツの裏地に縫い付けられた小さな四角いものがあることに気づく。


「……………?」


 常備しているナイフを取り出して布を切る。そうして取り出したものはーーーーーー時限爆弾だった。


ーーーーーーズドォォォォォン!


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