緊迫
ズゴォォォーーーン!!!
最後の合図と共に、天井が崩れる。茜の光とともに影が10………12。目の前の入口に40人ほどが武具を装備していた。
俺がまばたきしている間、その刹那で目の前の敵の半数の首が血飛沫とともに宙を待った。敵にとっては何が起きたかわかってないと思うが、どうやら『幽冥』が爆発音とともに首を薙刀で切ったらしい。しかも俺のだ。いつの間に盗られたんだよ。
『幽冥』は残った半数に射撃されるも、すぐ離脱し俺に薙刀を返す。焦り薙刀を受け取る。その魔に『幽冥』は鉄パイプを再び持ち、突っ込んでいく。それに俺も『逢瀬』も続き、『冥土』が後衛隣サポートに回る。
「上もいるから気をつけて!」
「『御影』と『逢瀬』は上をしろ!」
急ブレーキをかけ、突っ込む『幽冥』に叫ぶ。
「大丈夫なんですか?」
まあ口で言ってても分かりきってることである。
『幽冥』は、戒兄さんはきっとこういうだろう。
「俺様を誰だと思ってやがる?俺様は最強だぜ?」
その答えに満足した俺と『逢瀬』は止まっていた足を上へと向け、跳躍する。だけれども、脚力はあまりないため資材の箱を蹴って蹴って、空中にいる敵へと武器を向ける。
そのうちの一人を方から横凪に薙刀で切り裂く。ちらりと見てみれば、『逢瀬』は刀で頭から真っ二つにしていた。『逢瀬』とも目が合い、わかりきっていることを改めて瞬時に確認し、殺戮を開始する。
相手はナイフと腰に拳銃を携えていた。そして標準を俺に。
飛び交う弾を体をし練らせうまく避ける。空中戦はフリとなるため、何人か仕留め着地する。ちらりと『幽冥』の方を伺うとぎょっとした。
「ギャハハハッ!!!そんなもんかよぉ、おらっ!脆ぇ、脆ぇ!キーキー喚いて俺様に殺されろっ!」
狂気的な笑みに悦楽にくらんでいる目。絵面はまさに殺人鬼だった。『幽冥』はへしょげた鉄パイプで撲殺しているようだったがとうとう鉄パイプが折れてしまう。折れた部分は鋭利な刃物と化し、戦況は有利に進むばかりのようだった。
そんな中『冥土』は弓で支援をしてくれていた。増援を頼もうとしたり、俺達が取り逃がした敵を弓で正確に射て殺していた。
「よそ見は危険『御影』」
「ありがとう『冥土』」
さて俺も自分の戦闘に集中する。
まず今回の任務の目的は『白蛇』の護衛。ここの港に受け取り先?保護先?の船が24時間後にくる。それまで『白蛇』を有りとからゆる敵あら守る。だからこそ大勢の敵を相手取ってるが…………きりがなかった。
初めは五十人程相手取っていたが、何か敵が増えてるのは気のせいではなかった。この第4棟の倉庫を取り囲む大勢の敵は未知数で、かなりきつい。大量温存必須である。持久戦になるなと頭の片隅で思いながら、薙刀を無心に振り殺した。
2時間経過。
未だに戦闘は続けられている。敵も正面からでは叶わぬと判断したのか、籠城戦となっている。引きこもるのは俺達だが、不定期にちらりと顔をのぞかせ銃を打ってきたり、毒ガスで満たそうとしたりと手段を選ばないようだ。
それほどこの『白蛇』は価値があるのだろうか。先程『逢瀬』が察していたけど、俺にはさっぱりだ。『冥土』の方は露骨に隠そうとしてるし気になる……。
しかも最悪なのが今現在進行中で、多数の爆弾が周囲に仕掛けられているようだった。カチャカチャとかすかな音も殺し屋には筒抜けだった。その上、この建物ごと燃やそうとしているようで、ガソリンの匂いが漂い始めていた。そのため俺達も『再開発』の指示のもと2つに別れた。
一『白蛇』の護衛、『御影』『幽冥』
ニ外部の敵の排除及び爆弾の解除、『逢瀬』『冥土』。
「おい、マッドサイエンティスト」
『なんだい?不満かい?』
「あったりめぇだ!」
端末越しに聞こえるおちゃらけた様子の『再開発』。ブレないよな……この人。
『だって君、暴れると周囲見境なく壊しちゃうからね。毎回修繕費負担してるのこっちなんだから……しかも『白蛇』を守り抜いてほしいんだよ。君の力が必要さ』
最後の言葉を聞き、『幽冥』はなんとも言えず、ハッと鼻を鳴らしただけだった。
「私と『逢瀬』で人数は足りますか?」
『問題ない。君たちならできるさ』
「………了解」
口でそう言いながらも不安げな『逢瀬』。『冥土』に半歩先をいかれながらもついていこうとしていた。『冥土』も『幽冥』とコンタクトを交わす。
「………『御影』をよろしく」
「いわれずとも、だ」
そっぽ向いて『冥土』は、
八重歯をちらつかせ拳を前に出して笑う『幽冥』
なんだか疎外感を一人で勝手に思っていた。




