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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
四章 『御影』と『逢瀬』
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微睡の中で

人気のない夜道。

俺は恤と共に歩いていた。明鏡高校にて会い、話したいことがあるとだけ言われて着いて行っている。会話ゼロ、表情も暗くてよく見えない。


ただ分かるのは、俺の心臓が何もしていないのに激しくなっていることだ。俺は何かを恐れている?なにをだ。


傀儡殺人鬼の言葉からの未来の選択の迷いか。

『逢瀬』をすくえなかった後悔か。

『再開発』に実感させられた自身の使命からか。

あの頃から変われない自己嫌悪か。

惑炉魅燐廻の言葉からの進むべき道か。


否、全て違う。俺はそれらを今でも引きづって、恐れて、忘れようとしてきた。それを今突きつけられただけなのだ。


『過去は乗り越えなよ、御坂くん。大切なのは弱さ故の向上心だよ』


自分を変えるきっかけを、アドバイスをくれた彼女。

次彼女に会う時は敵だと確信した。なぜなら、彼女はーーーーーー惑炉魅燐廻は傀儡殺人鬼とおなじ赤い目をしていた。俺の知る限り、あの悪寒と強さを持ち、赤い目をしているのが殺人鬼と判断している。傀儡殺人鬼は何も感じさせない、経験を積み強さを隠している、凪のような恐怖。彼女はトゲのある強さで、滲み出る嫌悪感は若さゆえと思う。


独断と偏見かもしれないが、本能が理解したのだから仕方がない。


だから、せめて燐廻さんに次会った時は俺は間違わなかったと言えるようにしたい。だって俺が恤に間違えるなと言ったのに俺が間違えてどうするんだよ。


けど、俺は今『鳥居』刀願恤に置いていかれることを恐れているのだ。恤はいつも変わらない。優しく、人殺しが嫌いで、誰かを思う殺し屋。俺みたいなやつなんかを好いて、笑いかけて。今も尚、救おうとしている。今まではそこで止まっていた。いつも黙って俯いて、言葉を詰まらせて。


けど、今日は違った。言葉には強い意志があって、真っ直ぐに俺を見つめる。俺の弱さを見すえて、救おうとしてくれている。変わろうとしているのだ。


でもまた俺は同じことをしてしまうかもしれない。また同じことをするのか俺は。『逢瀬』の妹である『鳥居』にまた、最低なことをするのか。この状況は同じだ。『逢瀬』がいた時とおなじ。また同じ結末を迎えようとしているのか?


それだけは駄目なんだ。もう嫌なのだ。


先立たれて俺の代わりに勝手に死んで、後悔と懺悔と期待に押しつぶされるのは。




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