泣いて、甘えて、慈しむ
「関わらなかったんだから仕方が無いからね」
「でも……………私は、明南お兄ちゃんの家族なのです……………………私全然悲しくないです、それって………失礼じゃないです、か?」
死者に対する冒涜、じゃないですか?
私は明南お兄ちゃんと家族なのに。
家族であり、党首で、逆らっちゃいけなくて。嫌いって訳でもなくて、好きでもなくて。ただ、党首という重荷がお兄ちゃんとの境界線をつくってて。
近寄れなかったし、話せなかった。いつしか諦めて、すれ違って。
また、何をいえばいいのかわからなくなって。
蹲り、膝上で手を力強く握り、唇も噛んで。
そして、しばらくの沈黙の後頬に優しく添える手があった。それはとても暖かくて。
顔を上げると、右往博士が愛おしげに私を見ていた。それは始めてみる表情で。
「大丈夫だよ、『鳥居』くん」
「…………」
「全部、背負わなくて、考えなくていいんのさ」
「でも………」
お姉ちゃんが、御坂さんが、日笠さんが、明南お兄ちゃんが。
大好きな人が、大事な人が、友達が、家族が。
困っていて、助けを求めていて。見過ごすなんてできない。できることをしたい。後悔なんかさせたくないから。
「君はまだ子供だよ。まだ、未熟な殺し屋で勉学に励む学生で誰かを思える優しい子供さ」
頬に添えられた手は頭へ。そっと撫でてくれた。
「私のできる限りで何でもすると言っただろう?たまには頼ってくれよ、『鳥居』くん」
右往博士はまた、私を撫でてくれた。
愛おしげに、どこか羨むかのように。




