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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
三章 『鳥居』と『逢瀬』
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「私って婚約者がいるの」


「……………えと、確か日笠さん有名財閥の令嬢です?」


「うん、そうだよ。明解女学院と言えばお金持ちが集まるからね。刀願さんは?」


肩書きを聞いているのだろう。日笠さんなら『財閥令嬢日笠海々』だ。


「財閥というか派閥というか、警察?みたいなことをしてるです」


依頼さえ出してくれれば誰であろうと秘密裏に殺す。それこそが刀願家や御坂さんの薙灘家に課せられた使命。仕事であるのだ。

それこそ刀願家の他、薙灘家、翠鎌家、朱鎌家と有名どころでいえばこの4つである。その中でもそれぞれに役割がある。


刀願家は護衛が主な仕事。

薙灘家は組織の壊滅が主な仕事。

翠鎌家は暗殺が主な仕事。

朱鎌家は執事やメイド、サポートが主な仕事。


各々の家系に合った教育が施され、基本13~15歳から仕事を引き受ける。就職するにも、罪を犯すのにも早い。まだ、少年罪が受けられるだけマシだと思うのもある。


バレたら、ヘマしても終わり。

始めたなら、辞められない。

後はただただ堕ちていくだけ。


呪詛のように自身の手で殺した人の怨嗟が、恨みと妬み、「殺してやる」「早く死ね」と常に耳に囁かれている。幻聴だとわかっていても、恐れてしまう。今ではそれにも慣れて、無視するしかできない。


目で見ないフリして、蓋をした。


「ーーーさん!刀願さん?どうかした?」


「あ、うん。ごめん…ぼーっとしてたです」


気持ちを切り替え、私は日笠さんと向き合いました。


「それで、日笠さんはいわゆる政略結婚に巻き込まれたわけですね」


「そうだけど……巻き込まれたというか私が生まれた時から決まってた事だしね。仕方がないよ」


まただ。日笠さんは笑っている。けど、目は笑っていない。


「···············」


こうゆうとき、どう声をかければいいんだろう。分からない。

素直に真っ直ぐに伝えても、無視されるかはぐらかされるか。そんなことばかり。

その度に私は傷ついて、悲しむんだ。黙ることしか出来ない。


でも、沈黙を破ってくれたのは日笠さんだった。


「ーーー分かってても恋しちゃったんだよね、刀願さん。政略結婚は免れないけど、この恋だけは……初恋だけはすっぱりと忘れて、受け入れたいの」


駄目。そんなことそんな顔で言わないで、日笠さん。そんなーーーーーーーーー悔いた顔で。


「··········忘れ、たいのです?初恋を」


「ーーーうん」


日笠さんは嘘をつきました。

忘れたくないのに、叶えたいはずなのに、強がって、笑って、初恋を諦めたいと。


悔いた顔で無理して笑い、都合子いい自分であり続ける日笠さんは、御坂さんとそっくりで。


「···············分かりましたです。私、日笠さんのお願い、聞いてあげるです」


日笠さんとおなじ、私もひとつ嘘をつきました。


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