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War of end world~落第殺し屋の岐路~  作者: 宝来來
三章 『鳥居』と『逢瀬』
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おひとよし

「私コーヒーって初めて飲むの」


「そう」


日笠さんは店に入るなり、弥栄衣さんに元気よく挨拶。周りのお客さんも、日笠さんの明るい雰囲気に和んでいるように感じた。さすがです。


「やっぱ、ブラックコーヒーって苦いのかな?飲める人は大人だよね!」


「飲めるフリして大人ぶってる人だったらどうするんです」


「それはそれで微笑ましい!母性を擽られるね」


御坂さんの姉である『冥土』はまさにそれだと言う。御坂さんから聞いたのだ。

『冥土』さん、年下に母性くすぐられてますよ。


「刀願さんは甘いもの好きなの?ココア飲んでるし」


「··········子供っぽいです?」


「ううん、女の子らしくて可愛い!」


「私なんかより、日笠さんの方が何倍も可愛いです」


「そう?ありがとう。でも、刀願さんクラスの美人ランキング2位だったよ?」


「そんなのあったのです?!」


初耳です。

ていうか、なんでそんなに高いんですか。


「うんうん、クラスの女子総勢19名投票のもと決まったよ!」


男子では無いんだ。誰が主催したんです··········まさか日笠さんじゃないですか?


「ちなみに一位は私でした。照れる·····それに嬉しい」


日笠さんは頬をかすかに赤くそめ、心底嬉しそうに笑う。可愛いかよ。


「日笠さん、美人さんですから」


目を逸らして、私は髪の毛をいじりながら言う。


「また言ってくれた!もしかして私、落とされてる?駄目よ、刀願さんは彼氏がいるのに··········」


「すぐ恋愛ネタに繋げるのは私嫌いです。すぐ帰るです」


「あー、冗談冗談!ごめんちゃんと話しますから!」


茶々な茶番は終了。本題にやっと入ることとなった。


「で、鯉の話です?」


「NO、NO、NO。恋の話だよ!分かりやすく話しそらさないの」


人差し指をたて、横にふり主張する日笠さん。話を逸らしてはくれなさそうだ。


「私が思うに恋ってのは必然。つまり彼氏を作るのは今しかないと思うんだよ!」


あれ、なんか話がそれてる気がする。


「それでね、刀願さん。初恋って叶わないって言うじゃん?私はそれを叶えたいの」


「·····」


気の所為じゃない?


「でも叶わないって言うならせめて、失恋したいわけです」


本当になんの話しをしているのです、日笠さん。


「この手の話題は絶対苦手だろうけど、手伝って欲しいの刀願さん。私の初恋を諦めさせて欲しい」


「………………」


空気を読み、周りから好かれる彼女。


いつでもクラスの中心にいて、笑顔を絶やさない彼女。

そんな彼女が悲しそうに笑い、私に願いを叶えて欲しいと言っている。


「…………なにか、あったのですか?」


「うん」


「私は日笠さんのこと、あまり知りません。なので、そこから話してくれないと受ける以前の問題です」


「…………てっきり断られるかと思ってたよ」


日笠さんは驚いた表情をうかべる。


「受けるとも言ってないです。話を聞いてあげるだけです」


私は日笠海々が苦手です。


明るく、眩しい、可愛い日笠さんは困った顔や弱みを見せたことがあまりないです。そんな彼女が私に見せた表情は姉と最後に会った日、私に向けたのと同じでした。


後悔と懺悔と優しさがつのった顔。


そんな顔を見せられたら断れるわけが無い。


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