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掌編小説集10 (451話~最新話)

おむすびころりん

作者: 蹴沢缶九郎

山で畑仕事に精を出していたお爺さんは、そろそろお昼にしようと近くの切り株に腰を下ろした。持ってきた竹皮の包みを広げ、おむすびを一つ手に取ろうとした時だった。ふとした拍子に、おむすびはお爺さんの手からするりと落ち、山の斜面を転がっていった。


「しまった!!」


慌てたお爺さんは、転がり遠ざかるおむすびを追いかけた。おむすびは転がり続け、凸凹の斜面を何度か跳ねては転がり、やがてねずみの巣穴に吸い込まれる様に落ちていった。


「なんて事だ。せっかく早起きして作ったおむすびなのに…」


お爺さんが巣穴の前で途方に暮れていると、ねずみ達は潔癖だったのか、まるで、「こんな土まみれの汚いおむすびなど食えるか」と言わんばかりに、おむすびを巣穴から放り出した。

その光景を目の当たりにしたお爺さんは、転がるおむすびを追いかける程食い意地の張っていた己を恥じた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みながら、ああもう終わりの線が出てきた、こんなに短いのか、何が起こるんだと期待して、 最後の段落、とくにラストの文のパンチ力が強烈でした。素晴らしく効果的です。 [一言] 岬林 守さんの…
[良い点] このようなリアルな発想、無かったです。 定番の昔話なので、なかなか気が付かないものですね。 意表をつかれ、笑ってしまいました! [一言] はじめまして。さくやさまの活動報告から参りました。…
[一言] そうきたかって感じで面白かったです。 そしてお爺さん、食べ物を大切に思う気持ちは誇れますよ^ ^
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