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3話

 4人は結局航空部隊を志願した。志願といっても航空部隊は出来立てで志願者が少なく、まだ部隊の人員が少ないため、簡単な面接の後配備が決まった。

 航空部隊の基地はまだパイセス半島の北東と南の2箇所にしかない。そのため、王都の国軍兵舎にいた4人はどちらの基地に移動するかの選択が必要になった。基地移動に関しては元々ナセルが基地周辺の出身だったため、全員で北東の基地に行くことにした。

 ちなみに航空部隊の基地はナセルが王都に来るのとすれ違いのようなタイミングで建設が始まり運用に至ったため、ナセルは出身地の付近にあることは知らず、喜んでいた。




 身辺整理のために数日与えられた後、王都から北東の基地があるタラゴナまでは車で7〜8時間程度で移動した。車を降り門をくぐると金髪碧眼で長身の30代前半といったくらいの男が待っていた。


「待っていたよ、私はサント少佐だ。君たちはうちの基地の航空部隊志願ということで聞いているが問題ないか?」


「はい」


 ドラヘが元気よく答える。


「よろしい、君たちはこれからここタラゴナ基地で航空部隊としての任務に参加してもらうわけだが、知っての通り最近オーク国での蜂起が度々起きている。ここタラゴナ基地の部隊は鎮圧部隊としての出撃が近々あることを想定して行動しているため君たちにも航空機の操縦訓練はすぐにでも行うつもりだ」


 ドラヘはすぐにでも航空機に乗れるのかと目を輝かせている。サント少佐はそんなドラヘの反応を見つつさらに話を続ける。


「君たちの乗る艦載機はもう整備が終わっている。しかし、艦載機に乗る前に座学もあるからしっかり励むようにな。そして君たちが配属される班はアリエッタ中佐の対艦攻撃班で、私がその副班長だ」


 パイセス国軍の編成は3〜10人ほどの尉官、2人の佐官からなる班、複数の班からなる隊、複数の隊からなる団と大きな組織になっていく。実際の戦闘になった場合は隊あるいは団の規模での戦いとなる。

 航空部隊においての班の名称は班長の名前、行動目的の順になり、4人が配属されたのはアリエッタ対艦攻撃班だ。対艦攻撃と名前がついてはいても、地上目標に攻撃することもあると言う。団は同じ所属基地、行動目標でつけられ、4人はタラゴナ対艦攻撃隊となる。そして団の名前は基地の名前でつけられるため、タラゴナ航空団となる。また、隊と団は分割されてタラゴナ第一対艦攻撃隊、ダラゴナ第二航空団といった風に運用されることが多いようだ。

 航空部隊の中には4人の所属する対艦攻撃隊の他に隊航空機攻撃隊、護衛隊があり、それぞれ敵機撃墜の任務に就く隊、敵機からの攻撃に晒される艦を守ったり比較的速度が遅く守りが弱い味方対艦攻撃隊を守ったりする任務に就く隊だ。


 4人はこの後、タラゴナ基地の施設を案内され、4人が住む兵舎の部屋まで案内された。サント少佐は去り際に、明日から座学が始まるため各自に配布する教本には目を通すようにと言い残していった。4人に割り振られた事務机の上には教本が置いてある。厚みはそれほどなく操縦について、応急修理について等といった内容だった。

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