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海洋国家・マグダラ1-8

氷礫、大波、砲撃、狙撃の四種の攻撃は【ミスフォーチュン】を近づけさせない。

サブアームは諸事情で外している為に使える武装は【Caliburn】のみ、機動力に任せて敵機__【ウォーターハート】を狙うか船を狙うかどちらにしても狙わなかった方から攻撃されるのは確実だ。

だからこそ、()()を同時に攻撃しなければならないのだ。

残りの傭兵が切れる手札は二枚、だがそのうち一枚は魔導国(アヴァロン)に彼の正体を勘づかれ、もう一枚は帝国も含めた世界全てを敵に回す鬼札だ。

どちらも、まだ切るには早すぎる。


「…………」


四肢を鎖で絡み取られ、薄い空気の中で必死に抗うかのような無力感と思う様にいかないもどかしさ。ここで短気に任せて無理に行動すればそれこそ取り返しがつかないだろう。

それでも、じわりじわりと減る時間に、傭兵は焦燥感を覚えていた。


「ブンブンブンブン逃げ回りやがって、大人しく撃たれろ!」


「そうですよ!姫様の戦績に大人しく加えられたらいいのです!」


微妙に何かがずれているが誰もツッコマないしツッコミをする隙も暇もない。

幾度目かの氷礫が【ミスフォーチュン】の脚部をかすった瞬間、ミシリと嫌な音が傭兵の耳に届いた。先ほどのクレーンに巻き込まれた時にどこかのパーツがイカれたようだ。その時、傭兵は船と【ウォーターハート】を同時に攻撃する手段を思い付く。


「……少量なら」


コンテナに腕を突っ込み、インゴットを一掴みする。船はちょうど横腹を見せている状態なので的は大きい。


「まさか!?やめ」


【ミスフォーチュン】の投擲が船へと突き刺さる。衝撃と破損による浸水か砲撃が止まる。さらに足場である船が不安定なのもあり狙撃が止まり、残る懸念材料は【ウォーターハート】のみ。


「……斬る」


「よくも……姫様を!!」


【ミスフォーチュン】と【ウォーターハート】が加速する。実体剣とメイス、先に届くのは……実体剣だ。

波を凍結させたメイス【Mary】の持ち手が砕かれる。返す刀で【ウォーターハート】の首が空を飛ぶ。動きが止まった機体の胴体に蹴りが叩き込まれて、船へと叩き付けられる。

追撃を行おうと機体を動かした瞬間、【ミスフォーチュン】の脚部の一部が外れる。あの蹴りがまずかった。


「……帰投する」


破壊したメイスの先端と【ウォーターハート】の頭部を抱え、傭兵はブースターを点火してその場を離脱する。

【用語説明】

なんもないよ(´・ω・`)

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